惜しくも快挙達成とはならなかった。日本シリーズ第5戦(27日、京セラドーム)、ヤクルトのドラフト1位ルーキー左腕・山下輝(23)が先発マウンドに立ち、5回7安打3失点。勝利投手の権利を持っていたが、チームは4―6でサヨナラ負けを喫し、球団初の日本シリーズ新人白星は目前で消えた。

 日本シリーズでの新人投手先発は球団として1992年の石井一久(現楽天GM兼監督)以来、実に30年ぶり。そんな大役となっても、冷静沈着で強心臓ぶりを見せつけた。打者の手元で沈む〝魔球〟ワンシームを要所で組み込みつつ、序盤から内野ゴロの山を築いた。188センチ、100キロの大柄な体格を生かしたダイナミックなフォームを武器に3回まで相手打線に連打を許さず、打球を一度も外野に運ばせなかった。

 だが、2巡目に入った4回に紅林、若月に連続適時打を浴びるなど4本の長短打を集められて2失点。5回には吉田正に甘く入った137キロ直球を痛打され、勝ち越しソロを被弾した。降板後は「初めての日本シリーズですごく緊張しました。とにかく一人ひとり攻めていこうという気持ちで一生懸命投げました」。

 降板後にチームが再逆転し、ベンチから声援を送り続けたものの勝利の女神は残念ながらほほ笑まなかった。それでも高津監督は「大舞台でいいピッチングだったと思う。シーズン終盤で先輩たちがモタモタしていたのでチャンスを与えたが、今日もすごくいいピッチングだった。この経験は来年に生きると思う」と評し、ルーキー左腕の力投を称賛していた。