格闘技イベント「RIZIN」が大みそかに予定しているさいたまスーパーアリーナ大会で、1日に死去したプロレス界のスーパースター、アントニオ猪木さん(享年79)の追悼試合を計画していることがわかった。RIZIN史上初となるプロレスルールで行われる可能性もあるという。23日の格闘技イベント「RIZIN.39」(マリンメッセ福岡)では〝燃える闘魂〟の影響を受けた選手の活躍が目立ったが、RIZINは試合で鎮魂――。
セミでは、猪木さんが死去する10日前に電話で「一生懸命頑張って頂点を目指して」とエールを送られたスダリオ剛(25)が、ヤノス・チューカス(ハンガリー)にTKO勝ち。続くメインではクレベル・コイケ(33=ブラジル)がRIZINフェザー級王者の牛久絢太郎を三角絞めで仕留めてベルトを奪取し、リング上で「(猪木さんの第2の故郷の)ブラジル人はみんな知っている。日本人だけじゃなくて世界が寂しい」と哀悼の意を表した。
改めて一連の異種格闘技戦シリーズなどで格闘技の礎を築いた、猪木さんの存在の大きさを感じさせる大会となったが、10カウントゴングなどの追悼セレモニーが行われることはなかった。その理由を榊原信行CEO(58)は「僕らも猪木さんとは個人的な思いも含めてすごく近い存在だと思っています。ただ、RIZINに関して言うと、オフィシャルで関わっていただいたことがない。それなのに、何かここで10カウントをするのはおこがましいと思ったからです」と説明した。
だがRIZINの前身「PRIDE」では、猪木さんが2000年8月からエグゼクティブ・プロデューサーに就任。関係は深かっただけに、RIZINとして正式に追悼する機会は設けたいという。
くしくも猪木さんのマネジメント会社「猪木元気工場(IGF)」の幹部と近々会談することになっており、大みそかに向けた話し合いを行う予定だ。「そこでちゃんと支持をいただいてから、正式に何をどういうふうにしようというのを形にできればいいと思います」と話した。
では、具体的にどんなセレモニーになるのか。一案として浮上しているのが、RIZIN初のプロレスの試合だ。榊原CEOは「RIZINの舞台でどう表現するのか。猪木さんにささげるレクイエムのようなイメージの、プロレスの試合を、鎮魂を込めてやるというのもあると思う」と明かす。別の関係者も「猪木さんと関係のある選手でタッグマッチをやるのもいいと思いますし。何かしらでわれわれなりの猪木さんへの思いをリングで表現できれば」と語った。
「2000年代の初頭、猪木さんと一緒に『紅白をぶっつぶせ』と言ってやってきた。その遺伝子を僕らが受け継がせてもらっていることも含めて、われわれにしかできない締めをできたらいいと思います」(榊原CEO)。大みそかのリング上で、天国の燃える闘魂にささげる鎮魂歌が奏でられる。












