熱男は燃え尽きるまで戦い抜く。ソフトバンクの松田宣浩内野手(39)が自ら退団の道を選び、他球団で現役続行を目指す意志を固めたことが分かった。

 松田は常勝ホークスの象徴として、チームを6度のリーグ優勝、7度の日本一に導いてきた。プロ17年で通算1831安打、301本塁打をマーク。三塁手として史上最多の8度のゴールデン・グラブ賞を受賞してきた。グラウンド、ベンチに響きわたる声でのムードメークは唯一無二。ソフトバンクが常勝時代を築けたのは松田の存在があったからこそでもある。

 ただ、今季はチームのテーマが世代交代となり、藤本監督から精神的支柱として評価されながらも、出番が限定的となり43試合の出場にとどまった。まだまだ体は万全で燃え尽きていない。結果を残せる自信はある。同時に若返りを進めざるを得ないチーム事情も理解しており、そのアピールの場を奪いたくない思いも強い。他球団で現役続行を模索する考えに至ったようだ。球団も最大の功労者として意向をくみ取る方針だ。

 現在は二軍で調整中だが、今でも一軍で戦う今宮や中村晃が「熱男魂」と口にするほど。二軍でも変わらぬ姿を貫き、早くも若手から「松田さんのおかげで明るく元気にやれている。松田さんのようになれるように頑張りたい」との声が出ている。侍ジャパンや球宴の場では〝熱男スタイル〟に他球団の主力が目を丸くし、西武・山川らに大きな影響を与えた。

 新たな舞台で化学反応を起こす松田が見られるか――。