打撃面だけが流出阻止の理由ではない――。今年7月に海外FA権の資格取得条件を満たした日本ハムの近藤健介外野手(29)への評価がここにきてチーム周辺で急上昇している。
11年目の今季は5月に右脇腹を負傷した影響から1か月以上の離脱を余儀なくされたものの、6月末に復帰してからは攻守で活躍。昨季までのプロ通算打率は3割8厘を誇り、今季も出場82試合で打率2割9分5厘、6本塁打、35打点と安定した成績を残しており、球界内では「近藤がFA権を行使すれば複数球団による争奪戦になるのでは」と動向が注目されている。
攻撃面のキーマンだけに日本ハムとしては流出を阻止したいところ。だが、球団OBによれば近藤を引き留めたい理由は「打撃面での貢献度だけではない。若手選手に対しての指導力の面でも必要不可欠な存在になりつつある」という。
近藤は昨季からチームの選手会長を務め、折を見て若手に打撃面や精神面のアドバイスをすることがある。これが選手の間で「シンプルで的を射ている」と好評なのだ。
8月上旬まで極度の打撃不振に陥っていた万波も近藤に助言を求めた直後に打撃が復調。本塁打を含む2安打2打点を記録した先月12日のロッテ戦後には「近藤さんに教えてもらい『打席の中で真っすぐのライン、軌道をイメージしてつくっておくように』と。このアドバイスが生きて結果につながった」と、うれしそうに話していた。こうした「指導ができる現役選手」は若手主体で育成途上のチームにとって不可欠。だからこそFA選手には積極的に残留を要請しない日本ハムでも近藤の扱いだけは別格だという。
「日本ハムが引き留めるとなれば近藤の年俸(推定2億5500万円)がネックとなるが、現在の若手へのお手本、将来的な指導者としての評価を考えれば他球団に負けないくらいの誠意は見せるはず。あとは本人の気持ち次第じゃないですか」(前出OB)
近藤は7日のオリックス戦でも2―2の7回一死二塁から右翼フェンス直撃の決勝適時二塁打を放って3―2の逆転勝ちに貢献した。通算1000安打まで残り1本とした打撃職人の去就は、やはり目が離せない。












