8月のゴルフ「全米女子アマチュア選手権」(ワシントン州)を制した馬場咲希(17=代々木高)が脚光を浴びる中、かねて期待を寄せていたスポンサー企業がある。リンガフランカサービス社(愛知・名古屋市)は、6月にアマ選手として異例の複数年契約を締結。ブレーク前から長期サポートを決断した背景に迫った。

 7日に東京・日野市役所で行われた「日野市民スポーツ栄誉賞」の表彰式に出席した馬場は「日野市のみなさんの応援に元気をもらっている。すごく光栄です。私は日野市が大好きで、みなさんに応援してもらえることがうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 服部道子氏以来、日本勢37年ぶりの栄光を勝ち取った馬場。〝シンデレラストーリー〟を歩む上で、金銭面などで支えてきたのがリンガフランカサービス社だ。岳田幸成社長が今春の「ヤマハレディース葛城」に足を運んだところ、圧倒的な存在感を放つ馬場に一目ぼれしたという。

 同社の広報担当者は「社長が馬場選手のドライバーショットに魅力を感じたそうです。見た目はスラッとしていて、そんなすごいショットを打つイメージが全くないような子だったので、そこに驚いたのが一番だったと聞いております」と説明。さらに親子の人柄にも魅力を感じたといい「お父さんが気さくな方で話しやすい方だったというところもありますし、馬場選手も17歳なのに本当にしっかりした選手で、チャーミングな感じの雰囲気も持っていたそうです」と明かした。

 タイミングも抜群だった。同社はブライダル関連の事業などを手掛けており、女性アスリートも応援したいとの考えを抱いていた。「もともと他のスポーツ選手のスポンサーもしていた中で、スポンサーをできる選手がいないかなと探していたところでもあったので、キャディーをしていたお父さんにお声がけさせていただきました」(同担当者)。アマチュア規則が1月に改定されてアマ選手のスポンサー契約が可能になったこともあり、より競技に集中できる環境が整った。 

 今後も同社はできる限りの形で支援していく方針。「自分の目標は海外メジャーで優勝すること。この夢に向かってこれからも一生懸命頑張ります」と語る17歳の挑戦に注目だ。