身内からも「喝」だ。球団史上最速で自力優勝の可能性が消滅した2位・巨人。すでに首位・ヤクルトとは11ゲーム差まで拡大し、2年ぶりのV奪回へ黄信号が点灯した。逆転Vへ望みをつなぐため投壊状態の投手陣の再建、投打で一~三軍までの総力を結集することが不可欠となる。そんな苦境にあって、チーム内からはブレークの兆しを見せる〝ド根性男〟に見習えとの声が上がっている。
早くも正念場だ。ヤクルトとの3連戦では、打線が計35得点と大爆発した一方で投手陣が計32失点の大炎上…。ツバメの単独飛行に歯止めをかけるどころか、1勝2敗で突き放された。27日の山形への移動前に、原監督は「打線というものは水ものだし。いいものが出たということに関しては続けていく」と継続を求めつつ「基本よ、野球の」と先発投手陣に改めて奮起を促した。
早くも自力V消滅の屈辱を味わいつつ、可能性を残す以上は前へ進むしかない。そこでチーム内で叫ばれているのが、高卒4年目の増田陸内野手(22)の〝教材化〟だ。
「1イニング守備につけなかったからと言って、ベンチで泣くヤツはなかなかいないよ。でも、それだけつかんだポジションを奪われまいと必死なんだよ。そういう姿勢は他の連中も見習うべき」(ベテランスタッフ)
まさかの光景が繰り広げられたのは、22日のDeNA戦(東京ドーム)だった。増田陸は8回の打席で左ヒザに自打球を当てて悶絶。激痛に耐えながら粘った末に空振り三振に倒れ、大事を取って直後の9回の守備から交代を命じられた。すると、増田陸はベンチの最前列で何度も目頭をぬぐった。照れ隠しなのか(?)本人は「泣いていないですけどね」と否定しているが、ガムシャラな姿は周囲の心を打った。
増田陸は昨オフに育成落ち。プロ生活の岐路に立たされ「人生を変えたい。このまま終わりたくない」と頭も丸めた。3月に再び支配下登録を勝ち取り、今では中田や中島らの実力者を押しのけ、一塁でスタメンを張っている。ただ、隙をみせれば、瞬時に出番は失われることは百も承知。そんな重圧も乗り越え、継続して結果を残している。
今季のチームでは例年以上に若手にチャンスが与えられた。開幕ローテにドラフト3位・赤星や山崎伊や堀田らも名を連ねたが、次第に息切れ。ドラ1守護神・大勢以外は一軍に定着できず、先発も中継ぎも四苦八苦している。6月にもかかわらず、戸郷が26日に中4日で先発したのも台所事情の苦しさを物語る。野手でも二軍の松原や広岡らの中堅どころもパッとせず、ずぬけた若手の台頭も乏しい状況だ。
奇跡を起こすためには一軍レギュラーから育成選手に至るまでの全選手がネジを巻き直すことが求められる。チームの苦境を打破する救世主は現れるのか――。












