Bクラスからはい上がれるのか…。巨人は18日のDeNA戦(横浜)に3―4の逆転負けで3連敗を喫した。2位浮上の可能性もあった今カードに〝フル戦力〟で臨み、痛すぎる返り討ち。逆転優勝は絶望的だが、残り30試合あまりとなったペナントレースをどう戦っていくべきなのか。百戦錬磨の原辰徳監督(64)が思わず武者震いした〝神童魂〟もヒントになりそうだ。

 DeNAが本拠地14連勝に沸いた敵地で、三塁ベンチは重苦しいムードに包まれた。同点の8回に先発・戸郷が佐野にこの日2発目となるソロを浴びて万事休す。打線も6回以降は沈黙し、3戦連続で競り負けた。原監督は「競った状態で勝たないとね。今回は相手が上回ったというところでしょうね」と悔しさを押し殺した。

 3カード連続で勝ち越し、今カード初戦の16日から仙腸関節炎で離脱していた主将・坂本と、エースの菅野が約1か月ぶりに戦列復帰。主役がそろい踏みし、3連勝で2位に浮上するカンフル剤となるはずだった。だが、現実は理想とはかけ離れた正反対の結果に終わった。

 故障者などを除けば、これ以上の戦力上積みはほぼ望めない。泣いても笑っても残り32試合。まずは連敗を止め、チームを再浮上させるには選手個々がこれまで以上の底力を発揮するしかない。

 そこには技術はもちろん、精神論も必要となってくるだろう。「一戦必勝」とは球界の誰もが口にするが、勝負師として長年戦い続ける原監督も感銘を受けた人物がいる。6月に開催された立ち技のメガイベント「THE MATCH」で、K―1のエース・武尊(31)との死闘を制した〝神童〟那須川天心(24)だ。

 プロレスだけでなく格闘技にも強い関心を持つ原監督は、動画で世紀の一戦をチェック。「ちょっと差があったけど、いい根性していたな」と敗れた武尊をたたえつつ、何よりも刮目したのは那須川の一戦にかける悲壮な覚悟だった。

「那須川君は万一負けていたら、命を絶つつもりだったんだって!? 巌流島だ! たいしたもんだ」

 那須川はまさに命がけで決戦のリングに上がった。試合後には「負けたらマジで死のうと思っていた。動画を撮って『これ遺書です』みたいのをやっていた」と〝遺言動画〟まで作成していたことを告白。武尊戦が実現するまでに7年の歳月を要したこともあるだろうが、一戦に人生のすべてをかけた壮絶な覚悟は熟練指揮官の胸を強く打つものだった。

 原監督も時にグラウンドのことを「実弾が飛び交う戦場」と表現する。野球と格闘技ではルールも異なるが、競技者として対戦相手と勝敗を競う点では同じだ。ちなみに「巌流島」と言えば、古くは宮本武蔵と佐々木小次郎が雌雄を決したと伝えられ、プロレス界でも1987年にアントニオ猪木とマサ斎藤が伝説の死闘を繰り広げている。

「また切り替えて戦います」(原監督)。4位タイで最下位・中日までは3・5ゲーム差。ナインには〝神童魂〟で死に物狂いの戦いが求められる。