ノアの新GHCヘビー級王者・拳王(37)が、シングルリーグ戦「N―1 VICTORY 2022」(8月11日、横浜で開幕)を待ち焦がれている。3年ぶりの優勝がかかるリーグ戦を利用し、方舟マットを席巻するベテラン勢の〝大掃除〟をもくろむからだ。中でも「オッサンの象徴」とする野獣・藤田和之(51)には、特別な感情があるようで――。

 拳王は16日の日本武道館大会で小島聡を破り、約4年4か月ぶりにGHC王座に返り咲いた。過去の例を見ても王者としてN―1には出場せず、優勝者をタイトル戦で迎え撃つ選択肢もあったが、「そんなあまっちょろいチャンピオンじゃないから。オッサンの呪縛からノアを完全に解き放つため、俺が出ないわけにはいかないだろ」と出場を決めた。

 前身のグローバルリーグ戦で1回の優勝経験がある拳王は、N―1に名称変更された2019年の第1回大会を制覇。3年ぶりの優勝がかかる今大会のエントリー選手について「これを見ろよ。日本人で出てるの、オッサンばっかりじゃねえか!」と自らも中年に差しかかっていることを棚に上げて声を荒らげた。

 確かに12人の日本人選手のうち、藤田、小島ら50代が最多の5人。40代と30代がそれぞれ3人で、20代に至っては26歳の清宮海斗ただ一人と、平均年齢が高いことは事実だ。

 そこで拳王は「だから、今回のリーグ戦で俺がオッサンを全員駆逐してやる。大掃除だ! 一番の標的? 藤田和之だろ。あいつはオッサンの象徴だからな」と、ビールとハイボールと釣りを愛する子煩悩な51歳に照準を合わせる。

 野獣には昨年3月、当時保持していたGHCナショナル王座を奪われた苦い思い出がある。「あのリベンジもまだできてないからな。それにあのオッサン、この(GHCヘビーの)ベルトも負けて落としたわけじゃなくて(4月に)コロナになっての返上だろ? だから俺は今、自分で暫定王者だと思ってるんだ。アイツを倒して初めて正規王者だ」と力説した。

 藤田とはAブロック最終公式戦(8月28日、神奈川・カルッツかわさき)で対戦する。「そこまでいい星でいって、藤田和之と対戦する。最高の状況に整えて、最高のリベンジにしてやるよ」と自信たっぷりに話した。

 もちろん、N―1制覇後の青写真もある。「優勝して俺が初防衛戦の相手に指名してやろうと思ってるヤツがいる」と笑みを浮かべつつ、若手2人に呼びかけた。

「このオッサンばかりのリーグ戦にエントリーされなかった稲村愛輝と岡田欣也の20代2人だ。お前ら、出場メンバーを見て何も思わねえのか? リーグ戦の間は『裏N―1』として2人でずっとシングル戦をやれ! それで俺が認めた方を、優勝後に初防衛戦の相手に指名してやる」

 相変わらずの口の悪さを発揮した反骨の男はなぜ、日本中の中年男性をここまで敵に回すのか。方舟の未来を見据えたリーグ戦は波乱を呼びそうだ。