【赤坂英一 赤ペン!!】カープのエースがいなくなった。最近絶不調の大瀬良大地は、12日の巨人戦で2本塁打を含む5安打5失点で3回KO。防御率も4・46まで跳ね上がって登録抹消である。
6勝目をマークした6月24日のDeNA戦で、一度は波に乗ったかに思われた。今季2度目の無四球完封の快投を見せ、「ふがいない投球が続いていたので、何とかチームのためにと思って投げた」と吐露。試合後、チーム関係者と談笑している表情を見て、大瀬良らしい笑顔が戻ってきたなと感じたものである。
ところが、7月8日の中日戦は9安打7失点で3回KO。以降、6試合連続で勝ち星がなく、3回KOは12日の巨人戦で3度目という体たらくであえなく二軍落ちだ。
しかし、これは大瀬良にとって初めての試練ではない。プロ2年目の2015年は先発で結果が出ず、中継ぎに配置転換。先発に復帰した17年から3年連続で2桁勝利を挙げたものの、20年に再び不振に陥り、わずか5勝に終わっている。
そうした苦労を経験しながら、大瀬良は様々な試行錯誤を続けてきた。例えば、18年にはルール改正で解禁となった2段モーションにフォームを改造。当時、その目的をこう説明してくれた。
「打者のタイミングをずらすよりも、自分の良い球がいく投球をするためです。そこから打者の反応を見ているうち、タイミングを外すことを考え、モーションを早めにしたり遅めにしたり、ちょっとずつ動きに変化をつけていきました」
18年はその2段モーションでキャリアハイの15勝をマーク。しかし、翌19年には、また普通のフォームに戻した。
「最初は腕を高く上げていたけど、そんなに上げなくなりました。タメをつくらなくても自分の思い通りのボールがいくようになったので。いま目指しているのは、限りなく2段に近い普通のモーションです。2段に比べてここというポイントがないから、打者はタイミングを取りづらいんじゃないかと思いますよ」
そんな大瀬良の進化と模索はその後も続く。
「ある程度狙ったところに良い球がいく理想的なフォームは一つじゃないんです。その日その日の調子に合わせて、試合の中で探っていくうちにフィットしてくるもの。そこに打者との駆け引きを足していく感じです」
この飽くなき探究心がある限り、大瀬良はまたいずれ復活してくるはずだ。その時、どんなフォームで投げるのか、興味を持って見守りたい。
☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。日本文藝家協会会員。最近、Yahoo!ニュース公式コメンテーターに就任。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」(講談社)など著作が電子書籍で発売中。「失われた甲子園」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他に「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。












