阪神・藤浪晋太郎投手(28)が好調を持続している。今季は新型コロナウイルス感染の影響による戦線離脱やチーム事情もあり、夏場までは二軍暮らしを余儀なくされてきたが、8月上旬から一軍ローテに復帰すると、ここまで5試合に先発登板し防御率2・16。与四球も5戦合計でわずかに「5」。すべてのゲームでクオリティースタートを記録するなど、安定感のある投球を披露している。
復調の最大の要因は、ここまで長く課題としてきた制球力の劇的な改善だろう。ここまでの5戦すべてで藤浪の女房役を務めた梅野隆太郎捕手(31)は「直球だけでなくスプリット、カットボールなどの精度、制球が上がったことでゾーン内での勝負ができるようになっいる。偏った配球もなくなったし、今は状況に応じて球種を選びながらバッターと勝負ができている。今までの晋太郎とは天と地ほどの違いがある」と現状の藤浪を分析した。
高卒ルーキーとして10勝、11勝、14勝と3年連続で2桁勝利を挙げながら、その後は7勝、3勝、5勝、0勝、1勝、3勝と長い長いトンネルに迷い込んだ。不安定な投球は「投げてみるまでその日のデキは分からない」「相手との勝負以前に自分との勝負になってしまっている」と評されることも多かった。
梅野も「確かに正直言ってこれまでの晋太郎にはそういうところもあった」と率直に認めつつ「今の晋太郎はその段階を超えて『どうやってこのバッターを抑えるか、勝負に行くか』という投球ができている。もともと球威はある投手だし、バッターの反応をみながら緩急を効かせたり、直球で押し込んだりの駆け引きができている。勝ちのつくピッチングができていると思う」と手応えをにじませながら語る。
1年違いの入団ということもあり、藤浪のことは「一から十までほぼ知っている」という梅野。だからこそ、ちまたで言われる「藤浪復活」という文言には違和感を覚えるという。「復活…。違いますよね。進化、そう進化だと思う。新たな藤浪晋太郎というものが今、できあがりつつあるのではないかなと。あいつとのコミュニケーションの中でも『自信をつけてきているな』と感じることも多い」。
キャンプで指導を受けた山本昌氏や、今春に自主トレをともにした巨人・菅野らの教えが「今になってかみ合ってきている」と藤浪自身も手応えを口にする。長く将来を嘱望されてきた大器右腕も今年で28歳。花満開の季節はもうすぐか。












