爪痕を残せるか。Bクラスに沈んでいる巨人は23日の中日戦(東京ドーム)に6―0で快勝。連敗を6で止め、今カードでの最下位転落も阻止した。そんな油断ならない戦いが続く中、岐路に立たされている一人が小林誠司捕手(33)だ。課題の打撃は今季も改善されず、首脳陣の評価も下落するばかり。世代交代の荒波まで押し寄せ、4年契約最終年の来季は正念場となりそうだ。


 久しぶりの完勝劇だった。エース菅野が8回を2安打無四球の快投で無失点。打線も15試合ぶりの2桁安打で、先制打を含む2安打2打点の中田は通算1000打点も記録した。今季最悪の連敗が止まり、原監督もひと息ついた様子だ。菅野を「制球力が良かったし、真っすぐでも勝負できていた。本来のピッチングというものができれば、ゲームをつくれる」と評し、中田についても「非常にいいコンディションで集中力もある」とたたえた。

 中日を2・5ゲーム差に突き放し、今回の3連戦で最下位に転落する危機は去った。だが、目指すのは上位浮上。残り試合も少なくなる中、立場が危ぶまれているのが小林だ。2度の骨折に見舞われた2020年は、出場10試合で打率5分6厘。極度の打撃不振だった昨季も9分3厘の成績に終わった。2年連続で打率1割に届かず、今季開幕前にはコーチ陣の間から既に厳しい声が飛んでいた。

「打率0割台の選手をスタメンで使うのは難しいでしょう。〝7人攻撃〟じゃ野球にならない。『自分は打てないから』みたいに思いながら打席に入っているようにも映る。オフに『危機感を持って』と言っていたようだけど、気づくのが遅いでしょう。33歳はまだ現役バリバリ。彼はベテランの選手じゃない」

 それでも守備力には定評があり、開幕から一度も抹消されることなく一軍に名を連ねてきた。ただ、最後に安打を放ったのは今季初のマルチ安打を記録した5月27日の日本ハム戦(札幌ドーム)までさかのぼる。そこから19試合、実に38打席連続無安打の大ブレーキで打率1割2分、0本塁打、4打点の低空飛行が続く。スタメン出場の機会は減る一方で、先発マスクは26試合。同2割5分5厘、11本塁打、33打点の大城が79試合となり、今季も大きく水をあけられた。

 捕手最年長の小林にはチームが進める世代交代の波も押し寄せる。5年目の岸田が5試合、高卒3年目の山瀬も4試合、育成出身の2年目・喜多も20日に初めてスタメンマスクをかぶった。この日の小林は6点リードの9回から出場。2番手クロールとのコンビで1イニングを無失点に抑えたが〝守備固め要員〟に甘んじるのは本意ではないだろう。

 推定年俸1億円の小林は来季が4年契約の最終年。正捕手だった当時のようにグラウンドで躍動するためにも、残り少ないチャンスで来季につなげる「H」ランプを点灯させまくりたいが――。