DDTの秋山準(52)が緊急提言だ。12日の「サイバーファイトフェスティバル」(さいたま)ではKO―D無差別級王者の遠藤哲哉(30)がノア・中嶋勝彦(34)の張り手で脳振とうを起こし、王座返上が決まった。試合後は憤りを示した秋山は、自らの経験を踏まえて〝急所攻撃〟の再発防止を訴えた。

 サイバーフェスで遠藤は秋山、樋口和貞と組み、ノアの中嶋、小峠篤志、稲村愛輝組と団体対抗戦で激突。試合中に中嶋の張り手を浴びた遠藤は失神し、レフェリーストップにより、わずか6分20秒で敗れた。診断結果は脳振とうで、トーナメント「KING OF DDT」1回戦が行われる16日の東京・新宿フェイス大会から欠場する。

 本紙の取材に応じた秋山は「見てくださっていた方に申し訳ない気持ちだった」と不完全燃焼に終わったことを謝罪しつつも「誰が悪いということではない」とした。

 その一方で「ノアではずっとやっていることだと思う。それは俺も知っている」と、かつて所属した身として団体間にスタイルの違いがあることを認めた。

「(コーチ役を務めるDDTでは)いつも若い子たちにビンタや脳にダメージを与えるようなことは気をつけろと。人間の顔にも急所があって脳が揺れてしまうことがあるから、やるなら急所を外すようにとは言ってきた。ただ、防御などに関してちゃんと遠藤に言ってあげられなかったのは俺のミスかもしれない」とも付け加えた。

 ここまで頭部のダメージを危険視するのは、秋山自身の経験が大きく影響しているという。

「デビュー2年目か3年目に3試合連続で脳振とうを起こしたことがあってね。最初はあごに技が入って、翌日は普通に技を受けたけど脳が揺れやすくなっていた。そして中1日空いて最後は完全に記憶を失って、気づいたら救急車の中だった。今では考えられないけど」と衝撃の過去を明かした。

「俺の場合、親に強い体に産んでもらって幸いにも元気で30年を迎えられた。でも、これは奇跡かもしれないし、もしかしたら脳出血を起こしてダメになっていたかもしれない。若い子たちには絶対にそうなってほしくない」と悲劇が起きないことを心の底から願う。

「KING OF DDT」の優勝者は新KO―D王者となる。秋山は気持ちを切り替え「ベルトを取って、遠藤を迎え撃ちたい」と闘志を燃やした。