阪神は24日のヤクルト戦(神宮)を7―5で逃げ切り、再び貯金1で3位タイに浮上した。打線が13安打と爆発。これで4試合連続2桁安打だが、なかでも好調なのがこの日、2試合連続5番で起用され、3安打1本塁打1打点と活躍した原口文仁捕手(24)だ。

 ヒーローインタビューでは「一打席一打席、必死にという気持ちで立っている。必死のパッチで頑張ります!」。3安打も2試合連続。4月27日に支配下に再登録された育成枠経由の苦労人はここ17試合連続で先発マスクをかぶり、5月は打率4割1分7厘、3本塁打、14打点(24日現在)。今や月間MVPの筆頭候補に挙がる成績を残しているのだから、すさまじい躍進ぶりだ。

 プロ7年目で長い“下積み”を経て開花した男には成長を促す「言葉」との出会いもあった。育成選手だったプロ4年目、何げなく読んでいた本の中にあった「身心一如(しんしんいちにょ)」の4文字。曹洞宗・道元禅師の言葉で意味は「肉体と精神が一体化すること」という。原口は「心と体が一致することで(成長の)伸び率が全然違ってくると気づいた。同じ練習をやるにしても気持ちが入っているのと入っていないのでは身につき方が違う。指導者に言われたことを『やらされる』のではなく『自分のためにやる』と捉えられるか。今日までそれを実践してきたし、これからもそういう姿勢は大事にしたい」といい、練習中は常にこの気に入った言葉を呪文のように言い聞かせてきた。その効果が今になって出ているわけだ。

「今、一番期待できるバッター。ボールをしっかり見極めて冷静に仕留められている」と金本監督。“虎のシンデレラボーイ”原口は、4文字を胸にさらなる大暴れを誓っている。