未確認生物の多くは、警戒心が強く臆病な性格をしていたり、人間と出会うとすぐに姿を隠してしまうものが多い。しかし、今回紹介するUMA図鑑は非常に凶暴であるため、万が一、遭遇した場合は極力逃げたほうが望ましいと思われるものだ。
その名は「グオイ・ルン」。ベトナムに出現すると言われる獣人型のUMAで、名前は「森の人」を意味する。体長は1〜1・8メートルほど。全身に長い毛が生えており、色は黒、赤、茶、灰色など様々だという。
ベトナムでは目撃例とともに、人間を襲って殺したり、その肉をすみかの洞窟に持ち帰って食べているという話も伝えられている。
非常に凶暴なグオイ・ルンの正体については諸説ある。
一つは1万年前までベトナムにも生息していたオランウータンではないかという説だ。オランウータンは動物園などで見る姿と違って意外に凶暴で、雑食性であり、肉も食べるとのことなので、生きながらえたものがグオイ・ルンになった可能性も考えられる。
また、ネアンデルタール人の生き残りではないかとする説もある。
一方で「実は存在しないのではないか」とする説も存在している。
ベトナム戦争で米軍やベトナム軍が相手をかく乱させるために立案した作戦の中に出てくるものではないかとする説だ。しかし、ベトナム軍のゲリラや米軍兵士の双方から目撃証言が上がっていたため、軍事的な陽動作戦によるものとは一概に言い切れないのも事実である。
さて、ここに一つの興味深い情報がある。ベトナムの動物学者ダオ・ヴァン・ティエン氏が1995年の雑誌のインタビュー記事に「1960年ごろ、北ベトナム側の兵士が高地の飛行場から類人猿らしき遺体をヘリコプターで持ち去るところを目撃された」と語っているというのだ。
1960年代には米国で「ミネソタ・アイスマン」という氷漬けで保管された獣人型UMAが公開されるという事件が起きた。このアイスマンを調査した未確認動物学者のアイヴァン・サンダーソン氏は「ネアンデルタール人のものではないか」と語っており、先述の情報と一致する。
アイスマンは現在ではチンパンジーの死体を加工して作った偽物との説が有力。だが、1・8メートルもの大きさからすると、チンパンジーとするには無理がある。
果たして、グオイ・ルンの正体は何だったのか。謎は今もベトナムのジャングルの中に存在している。












