オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第120回は「鬼の首落とし」だ。

 東北地方の山の上にある遺跡は、かつてその山で暴れまわっていた鬼の首をはねて、祀った場所だ。その後、たたりが多く、その場所をしめ縄で囲んで結界を張り、聖地として封印した。その場所が「鬼の首落とし」と呼ばれている。

 同所は一見、見つけづらい。普通の山道ではなく、地図にない脇道に入らなければならない場所だからだ。

 ある登山者が偶然、この遺跡に行き着いてしまった。なんと、そこには古い剣で背中を突かれて死んで、白骨化した死体があった。発見者は驚いて地元の警察に電話すると、「また、『鬼の首落とし』に触ったバカがいる」とつぶやいた。そのウワサを聞いて、集まってきた地元民も「ヒソヒソ」とささやき合っている。

 鬼の首落としでは、何年かに1回、山登りの客が犠牲者になるという。そして、犠牲者は必ずと言っていいほど、剣で背中を突かれている。果たして、どうやって体を貫かれているのだろうか?
 鬼が出てきて、剣で貫いたのだろうか。

 鬼は首だけであってもたたりを起こすといわれている。酒呑童子の首は「首塚大明神」と呼ばれ、信仰の対象になっている。五島列島では、鬼の首が侍の兜にかぶりついている姿が凧になっている。

 似た名称の妖怪としては「鬼の岩転がし」がある。これは東京・青梅市で伝えられる妖怪であり、鬼が巨大な岩を坂の上から転がすという。