森保ジャパンは決して王国に「善戦」したわけではない! 日本代表は6日に行われた国際親善試合ブラジル戦(国立)で終盤にPKで失点して0―1と敗戦。結果だけ見れば、世界最強軍団を相手に大健闘と言える。しかし、元日本代表FW武田修宏氏(55=本紙評論家)は収穫よりも課題の多さを指摘。ブラジル代表の〝性格〟も踏まえて、勝てる試合だったと直言した。

 日本が最強軍団を相手に食い下がった。立ち上がりからブラジルの猛攻を受けてピンチの連続。それでも守備陣が体を張ったプレーでゴールは許さず、前半を0―0で折り返す。その後も必死に応戦するが、後半32分にMF遠藤航(シュツットガルト)の反則で与えたPKをFWネイマール(パリ・サンジェルマン)に決められて惜しくも0―1で敗れた。

 ただ、国際サッカー連盟(FIFA)ランキング1位でカタールW杯でも優勝候補筆頭のブラジルを相手に大善戦。王国を率いるチチ監督も「非常にハイレベルな戦いだった。両チームとも非常に高いクオリティーを誇って競い合った内容だった。W杯レベルの対戦だ」と森保ジャパンの力量を高く評価した。

 武田氏はブラジル戦の内容について「互角の入り方ができていた。そこは世界レベルで活躍している選手がいて成長も見える。守備でも特に遠藤とDF板倉滉(シャルケ)は粘り強く、しっかり我慢していい守備を見せた」と一定の評価をしつつも、課題の方を強調する。

「ブラジルはアジアでの2試合を合わせて考えていて、韓国に5―1で勝ったこともあり最初から〝落として〟きていた。得点が少なくても勝てばいいと。ブラジルは性格上、そういうところがある。なので、勝てるチャンスはあったし、よくやったけど、喜べる試合ではない」と厳しくジャッジした。

 その上で、ドイツやスペインなど強豪と対戦するカタールW杯を見据えて3つの課題を挙げた。「今回の試合でもそうだが、接戦になった時にいかにして点を取るか。守れても最後に点を取れなければ勝てない」。この日は0―0で終盤を迎える展開に持ち込んだ。しかし、MF南野拓実(リバプール)をはじめとする先発組のほか、MF三笘薫(サンジロワーズ)ら交代で投入したカードも揃って不発。戦術と選手の両面で、強豪から勝負どころでの1点をもぎ取る方策を見いださなければならない。

 そして「やはり〝9番〟タイプの、起点になり決め切れるストライカーがいないと本大会で勝ち抜くのは難しい」。これまで不動の1トップだったFW大迫勇也(神戸)はパフォーマンスが低下しており、今回はFW古橋亨梧(セルティック)が先発したものの、決定力は見せられなかった。1トップ問題の解決なくして本大会での躍進はない。

 最後に「セットプレーの質と確率を上げること。FKやCKは少ないチャンスで点を決められる。キッカーも、しっかり決めたほうがいい」。この日もセットプレーで工夫こそ見られたが、得点には至らなかった。相変わらずキッカーも定まらず、早急に改善が必要だ。

 敗戦を喫したにもかかわらず「善戦した」と喜んでいては進歩はない。森保ジャパンは、ブラジル相手の黒星を糧にすることができるか。