原巨人の〝秘蔵っ子〟が産声を上げた。巨人は15日の中日戦(東京ドーム)で17安打のつるべ打ちを浴び、3―9で大敗。連勝も3でストップしたが、明るい話題は高卒4年目でプロ初本塁打をマークした増田陸内野手(21)だった。チーム内屈指のガッツマンとしても知られる若武者には、実は原辰徳監督(63)から特大級の期待をかけられている。
試合としては散々だった。先発した高橋が2回もたず、4連打を含む6安打で4失点KO。リリーフ陣は次々と失点を重ね、守備陣も2失策で連勝も止まった。原監督は高橋を「なんてフォローしていいか分からないね。先発投手の役割というのは重いですよ」と酷評したが、G党にとっての希望の光は増田陸だった。
6回二死から代打で出場し、柳のカットボールを左中間スタンドへ。「あまり覚えていないですけど、二塁ベースを回った時に『うわぁ』となった。今までで一番ベースランニングが気持ち良かったです」とはにかんだ。9回には二塁守備でミスもあったが、8回にも適時内野安打をマークし、2打数2安打2打点と気を吐いた。
オフの自主トレでは主将・坂本に毎年弟子入りしてきたが、なかなか恩返しできずにいた。2018年にドラフト2位で入団し、故障続きで昨季まで一軍出場機会はゼロ。ついには昨オフに育成落ちとなり、春季キャンプも三軍スタートとなった。しかし、練習試合などで結果を残して二軍→一軍と昇格。3月には支配下登録を勝ち取った。
ただ、育成の身でありながら一軍キャンプに招へいされた2月中旬の時点で、原監督は増田陸に対する大いなる期待を本紙に明かしていた。
「左バッターでは中山にしても秋広にしても面白いでしょ? もう一人、若い選手で生きのいい右バッターがいないかなあと思っているんだけど。増田陸が来ていますけど、そういう世代を担うという部分ですよね。ないのは経験だけですよ」
キャンプでは例年以上に「横一線」の競争を求めた。そのため、ナインに奮起を促す意味でも個人名を口にすることは極力控えてきた。話題を集めた中山や秋広を挙げたのは自然の流れだったが、その中で飛び出してきたのが「増田陸」の名前だった。
指揮官としては「勝利と育成」を両立させる難行に加え、近未来のチームの展望も描かなくてはならない。原監督は「北村とか広岡というのは、もうどちらかと言うと中堅クラス。若手ではない」とズバリ。ある程度の一軍経験がある20代なかばの選手ではなく、20歳前後で無限の可能性を秘めた野手は誰か――。いかに増田陸に〝次世代の中心選手〟としての期待を抱いていたかを物語るセリフだった。
この日の原監督は「ナイスバッティング!」と多くを語らなかったが、当時は「若い選手というのは今年というよりも2年後、3年後というのは大事なことでね。ですから、別に今年一軍に上がれなかったからといって悲観する必要はない」と話していた。フタを開けてみれば出場7試合目、6打席目での初アーチ。起用に応えてみせた増田陸の今後が見ものだ。












