無敵艦隊を撃破するカギは――。森保ジャパンは11月開幕のカタールW杯1次リーグでともに優勝経験のあるスペイン、ドイツと同じE組に入った。特に警戒すべきは世代交代を進めながら圧倒的な強さを誇るスペイン。死角は少ないが、大金星を挙げるために突破口となりそうなのがMF久保建英(20=マジョルカ)の存在だ。

 E組で最強と目されるのはやはりスペインだ。同組となった強豪ドイツ相手にも、直近の対戦となった2020年11月の欧州ネーションズリーグで6―0と衝撃的な大勝劇を演じており、欧州予選も危なげなく首位で突破している。

 日本は3戦目(12月1日=日本時間同2日)で激突することになるが、森保一監督は抽選会後に「世界トップのリーグがあり、ルイス・エンリケ監督がスペインサッカーを表現する中、非常にクオリティー高く具現化する選手を率いて質の高いチーム」と現在のチームの強さを表現している。

 一見すると打倒スペインの可能性は限りなく低いが、それでもゼロではない。無敵艦隊の牙城を崩す“アリの一穴”として注目されるのが久保だ。Jクラブでコーチを務める関係者は「久保はスペインでプレーしていて、代表の選手とも普段から対戦している。映像や資料だけでは分からない肌感覚の情報が重要になってくるのではないか」と指摘する。

 久保はスペイン1部リーグでプレーするのは今季で3年目。バルセロナでの下部組織時代や保有元レアル・マドリードでの初年度のプレシーズンなども含め、現在のスペイン代表メンバーの中には対戦した選手や同僚としてプレーした選手が数多くいる。

 普段の対戦で緻密な対策を積み重ねている上に、机上では分からない性格やクセなども当然把握している。そうした経験は、森保ジャパンにとって極めて貴重な情報となることは間違いない。

 すでに“実績”もある。昨夏の東京五輪で日本は準決勝で優勝候補のスペインと対戦。延長120分の死闘の末に0―1で敗れたが、互角に渡り合ってあと一歩のところまで追い詰めた。

 五輪の開幕前に久保はスペイン対策について「分析担当の方など見えている人がいる」と前置きした上で「必要だと思えば、僕も『この選手はいい選手だぞ』ということは答えられる範囲で答えるようにしている」とチーム内で自身が持つ情報を共有していることを明かしている。この“久保データ”が効果を発揮し、スペイン相手に見事な戦いぶりを見せる一因となったのだ。

 日本の至宝はピッチ内外でフル回転が期待されそうだ。