リオ五輪柔道女子63キロ級代表の田代未来(22=コマツ)が心理戦で難敵撃破を目指す。

 11日、都内で行われた所属会社の壮行会に出席し、「自分の柔道を出し切れば、一番いい五輪になる」と金メダル獲得をはっきりと見据えた。ただし、ライバル対策は難航。過去に一度も勝利していないクラリス・アグベニュー(23=フランス)のイメージトレーニングを行っているものの「いつも負けたところのイメージが出てくる…」と歯切れは悪い。

 そこで助言を送ったのが、ロサンゼルス五輪男子65キロ級金メダリストでコマツ女子柔道部の松岡義之監督(59)だ。パワーではアグベニューが圧倒しているだけに「心理戦で相手を上回っていけば、勝機は十分ある」。具体的には組み手や動きの工夫で、相手の不安や動揺を誘う。「自分の形に持っていくまで、どこから入っていくか、いくつか(パターンを)作ってやるべき。ただ同じように進むだけじゃなく、どれだけ(戦略を)膨らませるか」と指摘した。

 最近は悩みの種だったケガが少なくなり、メンタルも成長した。アグベニュー相手に心と心のぶつかり合いを制すれば、頂点への道は一気に開ける。