レスリング元世界女王でプロボクシングに転向した山本美憂(52=カナダ)が、デビュー2戦目の日本初戦で田口智香(33=花形)に3ラウンド(R)1分51秒TKO勝ちして初勝利を挙げ、男女通じて国内最年長出場記録を更新した。

 山本は序盤こそ硬さが見られたが、3Rに長い左フックと右ストレートで2度のダウンを奪って快勝。日本で山本を指導する元世界3階級制覇王者でKOBE長谷川ジム会長の長谷川穂積氏(45)は、ダウンを奪った左フックを「スパーでも倒しているパンチ。一つの武器だけども、あれだけではない」と評価した。

田口智香(右)に的確にパンチを浴びせた山本美憂
田口智香(右)に的確にパンチを浴びせた山本美憂

 レスリングで数々の王座を手にし、総合格闘技でも活躍した下地があるとはいえ、52歳は長谷川氏を上回る高齢。長谷川氏は「素質はむちゃくちゃある。年齢と戦っていかないといけない。そこのバランスをどう取っていくかが最大のテーマ。ボクらも52歳で試合をしたことがないから、未知のところで練習をしている」とコンディション維持の難しさを口にしながらも「それで結果として報いてくれたので、ホッとしている」と安堵の表情を浮かべた。

 山本は今後について「ずっとボクシング」と宣言し、具体的な目標は掲げなかったものの「チームで行けるところまで行きたい」と決意表明。これに、長谷川会長は「記念でやる必要はない。やるなら、とりあえず何らかのタイトルは目指したい。そうじゃないとボクシングに失礼」との方針を示した。

 前人未到の道を歩む山本は、頂点に登り詰めることはできるか。