スーパールーキーの目指す道は――。注目を集める不破聖衣来(ふわ・せいら、18=拓大)が全国都道府県対抗女子駅伝(16日、たけびしスタジアム京都発着=9区間42・195キロ)で群馬チームの4区で出場。22位から9位に押し上げる13人抜きの快走で、12分29秒の区間新記録をマークした。

 衝撃的な走りに、周囲の期待は高まる一方。不破を指導する拓大の五十嵐利治監督も、将来的に〝レジェンド級選手〟へ成長することを願っている。

 立て続けに区間記録をたたき出す不破について、駅伝ファンからは「アンカーで見たい」との声が上がっていた。しかし、五十嵐監督は「10キロ近いレースがここ4本短いスパンで続いていた。どうしても10キロとかになって頑張りすぎてしまうと、故障につながるリスクが高くなってしまう」。不破や群馬の永井聡監督と相談した結果、4区(4キロ)での起用となった。

 不破は昨年末の全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)で、最長区間の5区(10・5キロ)を任されると、従来の区間記録を2分近く更新する32分23秒の好タイムをマークしたばかり。この日のレースに向けては、約2週間半しか時間がなく「富士山が終わってから、まともな練習を全然やっていない。ほとんどジョグ(ジョギング)でつないできた」という。

 疲労の回復に重きを置いてきたとはいえ、それを感じさせない好走に「区間記録で走るので、やっぱりポテンシャルが高い。今出せる力をしっかり出せるところに強さがあると思う」と目を細めた。

 今後は今夏の世界選手権(米国)の切符を手にした上で、2024年パリ五輪にトラック種目で出場するプランを掲げている。そして、28年ロサンゼルス五輪はマラソンで世界の頂点を狙っていく。「最終的に五輪のマラソンでメダルを獲得できる選手になってもらいたい。そうなれるようにいろんなことをやっていこうと思う」と展望を口にし、次のようにエールを送った。

「今もそうですが、みんなから応援されて愛される選手になってもらいたい。(00年シドニー五輪女子金メダルの)高橋尚子さんもそうやってみなさんから応援されて、愛される国民的なランナーでしたけれども、高橋さんや(男子五輪2大会出場の)瀬古利彦さんみたいに、みんなが応援してくれるような選手になってもらいたいですね」

 周囲の期待は膨らむばかりだが、まだ大学1年生。同監督は「故障が一番怖い。故障してしまえば、いくら強い選手でも結果を出すことはできない。それを守ってあげるのが私の仕事」と親心をのぞかせた。04年アテネ五輪金メダルの野口みずき氏以来の偉業へ、焦らずにゆっくりと歩みを進めていく。