【箱根路を沸かせる主役たち(4)】第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)を前に、東京国際大のイエゴン・ヴィンセント(3年)はさらなる高みを見据えている。

 箱根デビューとなった1年時の第96回大会で3区を任されると、59分25秒の区間新記録をマークして、一躍脚光を浴びた。前回大会では花の2区に登場すると、1時間05分49秒の区間新記録を樹立。留学生で初めて金栗四三杯を獲得するなど「箱根史上最強ランナー」と言っても過言ではない驚異的な走りを披露している。

 今季も出雲駅伝の6区で区間賞、全日本大学駅伝の3区では区間新記録を叩き出すなど、好調をキープ。「去年の同じ時期と比べたら調子はいい。今年は箱根でいい走りをしたい。いい結果を残せるように走って前回大会よりいい結果を残したい」と手応えを口にする。

 東京国際大の大志田秀次監督は「総合3位以内」を目標に掲げ「駅伝は流れをつくるのがセオリー」と往路に主力選手を起用すると明言。ヴィンセントは2区での起用が有力視されるが「後半の部分で少し坂があって坂が苦手なので、キツかったが(前回大会と)同じ区間をチャレンジできればいい成績が残せると思う」と自信をのぞかせた。

 箱根駅伝創設の理念は「世界に通用するランナーの育成」。今夏の東京五輪でも男子マラソン6位入賞の大迫傑氏ら、箱根経験者が多く出場するなど、理念は脈々を受け継がれている。先輩たちに続くべく、ヴィンセントも「今のところ一番大きい目標は五輪。卒業後も競技を続けて、有名で愛される選手になるまで競技人生を頑張りたい」との夢を描いている。

 今季の東京国際大はヴィンセントだけでなく、丹所健、山谷昌也(ともに3年)の日本人コンビにも力があり、2強と呼ばれる駒大、青学大の壁を打ち破るチャンスも十分にある。「チームとしていい成績を残せるように」。今大会も異次元の走りで旋風を巻き起こす。