大阪市生野区新今里の路上で6日深夜、ベトナム人とみられる男性3人が刃物で切られて死傷した事件で、現場付近の防犯カメラに複数の男がバットのような棒で執拗に被害者を殴る様子が写されていた。被害者のうちの1人は胸や背中などを数か所切られており死亡。近くのマンションでも男性2人が血を流した状態で発見され重傷を負った。現場付近にはアジア系外国人が数多く住んでおり、中でもベトナム人同士での暴力沙汰が頻出していたことが分かった。
事件現場の新今里エリアは、大阪でも有数のコリアンタウンとして知られる。韓国系住民が数多く住んでいるほか、近年は中国や台湾、ベトナムやフィリピンなど東南アジア系外国人の住民も増加していた。
殺害された男性の知人は「ベトナム人の、ある男の犯行の可能性が高い」と明かした。
警察は被害者の身元特定を急いでいるが、今里のベトナム人コミュニティーでは、事件の概要が明らかになっている様子だ。
前出の知人によると、死亡した男性はベトナムのハノイ市出身。留学で来日し、通っていた専門学校を3月に卒業後は帰国する予定だったとみられる。「誰とでも仲良くなる」という社交的な一面もある半面、「激しいトラブルも、いっぱいあった」と激情家ぶりを示唆する声も聞かれる。
男性はベトナム人経営の飲食店を訪れては、何度もある男と、けんかをしていたという。理由は酒に酔った男性が吐いた暴言だ。知人は「被害者は酔っ払って友達と何回も悪いことを言った。回数は結構、多い」と明かした。男性は過去にも、その男から襲われたことがあり、一方で男性側も男を襲撃したこともあった。直近では5日の午後にもトラブルになったという。
そんなもめ事の連続の末に「多分、男が仲間を誘って殺しにきたのだろう」(知人)。殺害に至った動機については「何回も、けんかしていた。恨みが積もって? 多分そうやと思います」。
ベトナム人の仲間内のトラブルである可能性が高いようだが、現場付近では同国人の若者がもめ事を起こすのが日常茶飯事で、夜な夜な集団で大乱闘を繰り返していたという。
「昨年、近くの雑居ビルの一室にベトナム人が営む飲食店ができ、そこに若いベトナム人たちが、たむろするようになっていた。それからというもの、酔ったベトナム人たちが深夜にたびたび、けんかを始めるようになった。彼らは、けんかが始まると決まって外に飛び出して、路上や駐車場で集団でつかみ合いや殴り合いを始めた。それも毎週、金土曜の夜になると、けんかしていたと言っていいくらい、しょっちゅう。私たち近所の住民が警察に連絡すると、パトカーが来る前に四方八方に逃げていった」(近隣住民)
殺害された男性と男は、この店に出入りしていたという。
また、この雑居ビル近くに住む住人は「ベトナム人同士のけんかがあった翌朝は、私の家の植木の花が全部折られていたり、植木鉢やブロックが粉々に割られたり、靴があちこちに散乱していた。近所ではガラス戸が割られた家もあったそう。男たちが路上で争っている脇で、ベトナム人の女の子が座り込んで泣きじゃくっているのを見たこともあるので、女の取り合いがあったのかもしれない」。
事件現場近くで飲食店を営む女性は「3か月くらい前、深夜に店の前に出たら、血を流しているベトナム人が立っていた。私が『早く救急車を呼びなさい』と言うと去っていき、その後どうなったのかは全然分からない」と振り返る。
過去に暴行を受けたベトナム人たちは被害を警察に訴え出ず、救急車も拒否した。同地区の外国人事情に詳しい関係者は「この辺りに住む東南アジア系住民は不法滞在者もいるので、警察に訴えて自身が強制送還されることを恐れたのでは。同じ母国から来た者同士の同胞意識もあるので、お互いをかばうために、いさかいを内輪でもみ消していた可能性もある」と説明する。
争いを表沙汰にしなかったせいで、ベトナム人同士の間で暴行が次第に過激化していき、今回の事件のような死者が出る惨事に至ったのかもしれない。
【大阪・新今里】ベトナム人3人死傷…暴力沙汰が頻出していた
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