大学生がプロデビュー戦で値千金のゴールを決めた。明治安田J1百年構想リーグ第1節(8日)で、福岡はホーム岡山戦(ベススタ)で1―1のまま90分を終え、PK戦の末に白星を挙げた。前半に失った1点を追う展開で、後半から途中出場した新人で特別指定選手のMF前田快(神奈川大)が、試合の流れを大きく引き寄せた。

 前半は岡山の強度ある守備に苦しみ、福岡は思うように前進できない時間が続いた。ボールを持たされながらも決定機をつくれず、試合は重たい空気のまま進行。44分にはセットプレーから先制点を許し、1点ビハインドで折り返した。

 後半に入っても流れは大きく変わらない中、塚原真也監督は同24分、打開策として前田快をピッチに送り込んだ。「展開を変える役割」を託された大学生は、その期待に真正面から応える。投入から9分後の33分、前田快は自ら獲得したフリーキックの流れでゴール前に反応。迷いなく振り抜いた右足のボレーシュートはゴール右ポストに当たってネットを揺らした。公式戦初出場での初ゴール。劣勢の空気を一変させる同点弾は、まさにチームを救う一撃だった。

 前田快はゴールシーンを振り返り、「『はっきりやれ』と言われていたので、枠に入れることだけを考えて足を振り抜いた」と冷静に語る。「0―1で負けている状況だったので、展開を変えるために何かをしなければいけないと思っていた。その中で結果を出せたのは良かった」と、自身の役割を全うできた手応えをにじませた。

 試合は1―1のまま90分を終え、特別大会のレギュレーションによりPK戦に突入。前田快は4番目のキッカーとして登場し、強いメンタルを感じさせるキックで成功。ピッチ内外で存在感を示し、勝利に大きく貢献した。

 塚原監督も試合後、「得点に絡んでほしいという期待で送り出した。背中で受けて前を向き、ゴール前に入っていく動きは求めていた通り。思い切りのいいフィニッシュも含めて、非常に素晴らしかった」と新人を高く評価した。

 大学生の衝撃的な一撃が、福岡に白星をもたらした。前田快にとっても、そしてチームにとっても、強烈なインパクトを残すプロデビュー戦となった。