【韓国ソウル20日発】ドジャース・大谷翔平投手(29)がパドレス・ダルビッシュ有投手(37)と20日に韓国・ソウルで行われたMLB開幕戦で初対戦した。日本を代表する両者のマッチアップは、それぞれの所属チームがナ・リーグ西地区同士だけに今後も頻繁に実現していくのは必至だ。そんな大谷にはMLBの黄金カードとなる「対ダル」が呼び水となり、かつて同じドジャースでも活躍した〝メジャーの先駆者〟野茂英雄氏(55)のような役回りも期待されている。その背景とは――。

 ソウル・高尺スカイドームは異常なまでの熱気に包まれた。大谷対ダルビッシュという、メジャーを代表する2人の日本人対決がいきなり開幕戦の大舞台で初めて実現。スタンドを埋め尽くした韓国のファンも両者の一挙一動に大きな歓声を上げつつクギ付けとなった。

 ダルビッシュとの「対決第1ラウンド」で大谷は2打数1安打をマーク。この日の開幕戦を皮切りに今後も同地区対決で繰り返されることになる「大谷対ダル」のマッチアップには現地の韓国、そして日本、さらには台湾などアジアの〝野球先進国〟で大きなハレーションを呼び起こしている。そんな2人の活躍に触発され「『ダルビッシュやオオタニのようになりたい』と国境の垣根を越え、アジア野球の主要3か国・国内リーグに属するプロ野球選手たちがメジャーを目指そうと水面下で続々と名乗りを上げ始めている」(MLB関係者)という。

 こうした流れはアジアマーケットの開拓に尽力するMLB側も無論、大歓迎。大きな期待が注がれているのは、言うまでもなく今後の大谷だ。MLBは、かつてMLBでトルネード旋風を巻き起こした野茂氏のような「野球伝道師」としての役割を期待している。

 野茂氏は1995年オフに近鉄を自由契約となり、ドジャースに入団。日本人選手が皆無だった当時のMLBでマイナー契約から這い上がり、大活躍を見せると日本を始め韓国、台湾などアジアにもメジャーブームを巻き起こした。そんな野茂氏と大谷には共通点が多い。別のMLB関係者は「野茂さんが日本人を含めアジアの選手にとってほぼ未開だったメジャーの門をこじ開けた功績は大きい。ただ、今の大谷はメジャーの舞台で二刀流をこなす野茂さん以上の存在。だからこそMLBも『野球界全体をリードする先駆者』として大谷に〝ある使命〟を託したいのです」と打ち明ける。

 その〝使命〟について同関係者はこう続ける。「MLBにとって特に日本、韓国以外のアジアマーケット拡大や野球未開地への普及は喫緊の課題。機構側は象徴的なスター選手を前面に出しながらアピールしていく必要がある。ダルビッシュもその候補の1人だが、年齢的な面を考慮すると現在29歳の大谷の方が若い世代への訴求力は強い。今回の開幕シリーズをきっかけに、これまで以上に大谷はMLBのけん引役を課されるだろう」

 同日の開幕戦始球式でマウンドに立った元メジャーリーガーの朴賛浩(パク・チャンホ=50)が野茂氏の活躍に憧れて夢舞台を志したように、今後は「第2の大谷」を目指してMLBを目指すアジアのプレーヤーは確実に増えていくはず。大谷がアジア全体でも「MLBの顔」として野茂氏らが築き上げた功績を伝承していく。