東京五輪テニス女子シングルス銅メダルのエリナ・スビトリナ(ウクライナ)がスポーツ専門放送局「ユーロスポーツ」に平和への思いを明かした。

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、4大大会の1つであるウィンブルドン選手権の主催者側は、ロシアとベラルーシの選手の出場禁止を決定したが、男子シングルスで四大大会最多21度の優勝を誇るラファエル・ナダル(スペイン)が「非常に不公平だ」と批判。賛否両論が巻き起こる中、スビトリナはロシアとベラルーシの選手に自身の立場を明確にするように求めた。

「私たちウクライナ人はロシア人、ベラルーシ人が声を上げ、どちら側につくのかを知るのは大切なことなのです」と声を大にした上で「もし彼らがこの件に関して自分の意見を言わなければ、彼らが自分たちの政府を支持しているのか、それとも支持していないのかが分からないので」と述べた。

 ロシアのウクライナ侵攻を巡っては、プーチン大統領を支持する同国のアスリートもいる一方で、自身の考えを公表していないアスリートも一定数いる。だからこそ「私たちの中に悪人がいるかいないかを知らなければならないのです」と踏み絵の重要性を訴えた。

 22日に開幕する全仏オープンでは、ロシアやベラルーシの選手が中立の立場を条件に個人として出場することが可能。しかし、プーチン大統領を支持する行動をした場合は制裁措置を検討するとの報道も飛び出しており、テニス界もピリピリムードが高まっている。