男子テニスの世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(34=セルビア)が4大大会の全豪オープン(17日開幕)の開催地・オーストラリアから入国拒否された問題が波紋を広げている。

 ジョコビッチは全豪オープン出場のために同国の空港に到着。しかし、新型コロナウイルスのワクチン接種免除を許可するビザの書類に不備があったため空港で足留めとなり、国境警備隊から入国を拒否されていた。

 この状況にジョコビッチ側の弁護士は送還差し止めを申し立て、セルビア側も反発。一方、オーストラリアのスコット・モリソン首相は「ルールはルールだ。一切の特別扱いはない」と毅然とした態度を取るなど、多方面に影響を及ぼしている。

 そんな中、地元の専門家はジョコビッチに厳しい目を向ける。オーストラリアのテレビ番組「ワイド・ワールド・オブ・スポーツ」は、シドニー大学のメアリー・クロック教授の見解を紹介。同教授は「ビザが取り消された場合、その影響は非常に長期に及ぶ」と指定した上で「もし彼がオーストラリアから強制送還されれば、3年間は国外追放される可能性がある。この決定を覆すことは不可能だ」と説明している。

 同メディアは「もう一つの選択肢はジョコビッチを帰国させ、ビザの申請を修正させた上でメルボルンに戻ること」とも指摘。世界1位のスーパースターも今回ばかりは〝特別扱い〟できないということだ。