究極の金メダルプランとは――。2024年パリ五輪に向けて、競泳男子の瀬戸大也(27=TEAM DAIYA)が着々と準備を進めている。

 まさかのメダルなしに終わった東京五輪。瀬戸は敗因を探る中で、延期を理由に〝逃げていた自分〟に気がついた。「やり切ったと思える水泳人生にしたい」と一念発起。今春から拠点を東海大に移し、16年リオ五輪女子200メートル平泳ぎ金メダルの金藤理絵氏を育てた加藤健志コーチの指導を仰ぐようになった。

 これまでとの明確な違いは練習量が一気に増えたことだ。最初の2週間は1日約2万メートルの泳ぎ込みを敢行。現在は基礎固めがメインだが、多い時は10時間以上練習することもある。なぜここまで追い込むのか。ある競泳関係者は「瀬戸選手が100%金メダルを取りたかったら、最悪な状態でも勝てる力をつけないといけないと考えているのでは」と指摘する。たとえコンディションが万全でなくても、勝ちきる土台づくりをしているというわけだ。

 さっそく効果が出ている。拠点変更後初の実戦となったアジア大会代表選考会兼日本選手権(4月28日~5月1日、横浜国際プール)では4種目に出場。最終日の1日は200メートル平泳ぎで5位に終わったが、大会を通じて「ベースができてきたと思うし、泳ぎのブレがなくなった」と手応えを口にした。

 目指すは五輪の金メダルのみ。甘えを捨てて全てを競泳にささげる覚悟だ。