競泳のジャパンオープン第2日(5日、東京アクアティクスセンター)、男子100メートル背泳ぎは日本記録保持者の入江陵介(31=イトマン東進)が53秒29で優勝した。

 前半からトップを守った入江はレース後「52秒台を狙っていたので残念」と厳しく自己評価。2週間前の北島康介杯以降、練習量を減らして今大会に臨んだが「まだ疲れを取っている段階でまだキレが出てこない中途半端な時期なので、そういった中でまだ間に合わなかった」振り返った。

 そんな中、話題は4日に東京五輪大会組織委の森喜朗会長が行った会見に及んだ。同会長が〝女性差別〟とも受け取れる発言をしたことについて、入江は「試合前だったのですべての発言は聞いていない」とした上で「世界的な大会を控え、世界平和や差別をなくすという部分ではそういう発言があったことは残念に思う」と率直な感想を語った。

 また、自身が拠点を米国に移した経験から「いろんな国、人種の選手とトレーニングをしたり食事をしてすごく楽しい生活をしてきた。日本はまだ他の国よりも多国籍ではなかったりするので、世界の選手を迎えるにあたってはそういうところを広くしていかないといけないと思う」と多様性を重視している。

「広い認識を持たないと時代との差が生まれてくると思うので、僕らも問題に向き合いながらやっていきたい」と言葉を選びつつ、思いを述べた入江。組織委トップの発言はまだまだスポーツ界に波紋を広げそうだ。