3日で復帰の〝泥酔画像〟田子ノ浦親方 〝夜の店〟で懲戒処分の阿炎と明暗を分けたのは…

2020年07月30日 11時00分

田子ノ浦親方(左)と阿炎

 大相撲7月場所(東京・両国国技館)で「泥酔写真騒動」を起こした田子ノ浦親方(44=元幕内隆の鶴)がまさかの“スピード復帰”だ。日本相撲協会は田子ノ浦親方に厳重注意を与える一方で、今場所中の職務復帰を容認する構え。「夜の店」での会食が発覚して自宅謹慎中の幕内阿炎(26=錣山)とは処遇の面で差がついた格好となった。新型コロナウイルスが蔓延する中で両者の明暗を分けたものとはいったい何だったのか?

 田子ノ浦親方は飲食店で泥酔している写真がインターネット上に掲載され、9日目(27日)に相撲協会から厳重注意を受けた。その後に親方は新型コロナウイルスの抗原検査を2回受けていずれも「陰性」と判定され、感染の可能性が低いことが確認された。芝田山広報部長(57=元横綱大乃国)は11日目(29日)、監察を担当する田子ノ浦親方の今後の職務復帰について次のように言及した。

「(体調面で)何もなければする。明日(12日目=30日)以降ということ。ああいう写真が確認されたのは問題というだけで、夜の接待を伴う店ではない写真だった。それに関しては問題ない」。なんと厳重注意からわずか3日間でスピード復帰の方針を示したのだ。

 角界では阿炎が場所前と場所中に接待を伴う「夜の店」で会食していることが発覚したばかり。その阿炎は7日目(25日)から休場し、千秋楽(8月2日)まで自宅謹慎することとなった。しかも本紙が報じたように、角界内では「今度やったらクビだ」などと批判の声が飛んだ。阿炎の謹慎は師匠の錣山親方(57=元関脇寺尾)が決めたこととはいえ、両者の処遇の差は明らかで実際、芝田山部長は阿炎が場所後の理事会で懲戒処分になる可能性を強く示唆したのに対し、田子ノ浦親方については「分からない」と言葉を濁している。

 問題の発端となったネット上では、田子ノ浦親方に対して「処分が大甘」「謹慎が妥当」「強制休場の力士もいるのだから最も厳しい処分を」などと厳しい書き込みが目立つ中でこの違いは、いったいどこからくるのか。

 一つは芝田山部長の言葉にもある通り、阿炎の場合は「接待を伴う店」だった点だ。いわゆるキャバクラやスナックなどが、それに該当する。相撲協会は新型コロナ対策で「不要不急の外出自粛」を通達する一方で、部屋近隣の定食屋やファミレスなどに食事目的で立ち寄ることは事実上“黙認”している(本紙昨報)。キャバクラなどは食事ではなく「遊興」が目的であることは明らか。新型コロナの集団感染が発生した例もあるだけに、協会から「一発アウト」と判定された。一方の田子ノ浦親方が泥酔したのは飲食店だったことから、少なくとも場所に関しては「セーフ」となった。

 また、阿炎の場合はこれまでに積み重ねてきた“前科”もある。SNSの「炎上騒動」や研修会での「舌禍騒動」などで協会から何度も注意を受けてきたことが、両者の違いを生む決定的な要因となっている。

 とはいえ、田子ノ浦親方は部屋の師匠の立場にありながら泥酔していた事実に変わりはない。角界内での線引きと、世間が抱く印象が一致するかどうかは完全に別問題だ。果たして、理事会では田子ノ浦親方に何らかの懲戒処分が下されるのか。それとも、今回の厳重注意だけで終わるのか。阿炎に対する処分と合わせて、大きな注目を集めることになりそうだ。