今年も留学生問題が物議を巻き起こしそうだ。第97回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の往路が2日にスタート。エース区間の2区では、東京国際大のY・ヴィンセント(2年)が1時間5分49秒の区間新記録で、首位でタスキをつないだ。昨年は国士館大のR・ヴィンセントが2区で8人抜きを果たしたが、今年は〝ヴィンセント違い〟の東京国際大のY・ヴィンセントが14人抜きを達成した。

 元日恒例の全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)では、区間最短の2区(8・3キロ)、通称「インターナショナル区間」でのみ外国人の起用が可能となっている。箱根駅伝もレースでは外国人を1人しか起用できないが、区間制限はないため、多くの大学が2区に外国人を投入してくる。

 そんな中、ヴィンセントは世界基準の走りを披露。テレビ解説の瀬古利彦氏(64)は「2区をなめっちゃいけない」と警告したが、そんなの関係ないと言わんばかりの快走劇だった。ネット上でも「これは反則レベルの速さ」と大盛り上がり。

 一方で12月の全国高校駅伝の女子では、世羅(広島)のアンカーでケニア人留学生テレシア・ムッソーニ(3年)が区間新記録の快走で逆転優勝に導いたが、駅伝ファンからは「留学生使って勝ってうれしいの?」などと批判が相次いでいた。

 駅伝で留学生が活躍するたびに勃発するこの問題。ちなみに区間2位はもう1人のR・ヴィンセントだった。留学生に罪はないものの、早いうちに議論をする必要があるのかもしれない。