沿道の応援対策はできず…。新型コロナウイルスの感染拡大で、1日の「東京マラソン」に続いてエリートランナーのみが出場する女子の五輪代表最終選考レース「名古屋ウィメンズマラソン」(8日)の会見が厳戒態勢の中で行われた。

 昨年の倍の広さという会見場では選手席と報道陣の間に5メートルの距離が取られた。さらに場内では7台の空気清浄機がフル稼働。各選手には専用のマイクが用意され、記者用のマイクは質問ごとに消毒が施されるという徹底ぶり。記念撮影で選手同士が肩を組むこともなかった。

 一方で東京マラソンの際に疑問視された沿道での応援については、ホームページ上で自粛を呼びかけるのみ。有効な対応策もなく、関係者は「ご協力をお願いするしかない」と言葉少なだ。

 1月の大阪国際女子マラソンで優勝し、暫定の権利を持つ松田瑞生(24=ダイハツ)の2時間21分47秒を破れば五輪に内定。5大会連続の五輪出場を目指す福士加代子(37=ワコール)が「これがラストチャンス。最高のパフォーマンスを見せたい」と意気込むなど、最後の1枠をかけた争いに注目が集まっているだけに、レース後は沿道での応援が再び議論の的になりそうだ。