日本近代五種協会(MPAJ)が、新たに加わりそうな〝人気競技〟の強化に乗り出す。国際近代五種連合(UIPM)は2024年パリ五輪後に馬術を外し、新たに「障害物レース」を試験導入することを発表。そこでTBSの人気番組「SASUKE~Ninja Warrior~」に白羽の矢が立った。早ければ28年ロサンゼルス五輪で採用されることになるが、競技関係者からは〝プロ集団〟をコーチとして招聘するプランが浮上している。

 1912年に初採用された近代五種は水泳、フェンシング、レーザーラン(射撃+ランニング)、馬術で争われ「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれている。そうした中、UIPMがパリ五輪後に馬術を外し、新たに「障害物レース」を試験導入することを発表。そこで白羽の矢が立ったのが、97年から続く「SASUKE」だった。

 TBSによると、27、28日のテスト大会(トルコ・アンカラ)でフランスやポーランドなど欧州版の収録で使用している番組セット4種類を提供したという。今後は複数回のテストを行い、12月の国際オリンピック委員会(IOC)理事会で承認を得られれば、28年ロサンゼルス五輪でSASUKEが加わった〝新近代五種〟が実現する。

 これを受けて、MPAJ関係者は「(SASUKEは)〝日本由来〟と言えるかもしれませんし、それはいいことですよね。UIPMの意向に沿って、次のステージに行く協力体制は取っています」と前向き。近代五種の選手にとっては〝未知の競技〟となるだけに、番組のレジェンドからなる「SASUKEオールスターズ」をコーチとして招聘するプランも浮上している。

 別の関係者は「(正式に決まれば)当然、強化していくことになる。(SASUKEオールスターズを)呼ぶこともあるかもしれない。次の世代の選手たちに向けて、こちらは準備する義務がある。いろんな環境をつくっていきたい」と強化に向けて意欲を示した。〝ミスターSASUKE〟こと山田勝己氏や、完全制覇を達成した秋山和彦氏、長野誠氏ら経験豊富なレジェンドたちが、指南役として起用される可能性もありそうだ。

 160以上の国と地域で視聴され、米国や欧州など現地版も20か国以上で制作されるなど、圧倒的な知名度を誇るスポーツ番組が、改めて世界から注目されそうだ。