長野県警は30日、同県小谷村の祖父母宅に帰省中に行方不明になり、近くの川で発見され死亡が確認された同県松本市の小学1年町田莉菜さん(7)の死因は、溺死の疑いが強いと明らかにした。

 大町署によると、遺体を司法解剖した結果、肺に水がたまっているのが確認された。手足に擦り傷はあったが、致命傷となる外傷はなかった。

 祭りのため祖父母宅に帰省中だった町田さんは27日正午ごろ、祭りの準備のため公民館に出かけた母親を探しに1人で外出した。

「お兄ちゃんが神事で武将の格好をする役に抜てきされて、母親とお兄ちゃんはその支度に向かった。昔は村の子供の中から誰が選ばれるか争奪戦だったが、最近は集落に子供がおらず、帰省してくる村外の子供も対象になっている」とは地元民。

 町田さんは祖父母宅からたった約40メートルしか離れていない公民館にいた母親とは合流できず、近くの神社にいるのを目撃されて以降の足取りが分からなくなっていた。長野県警は不審者情報もないことから事故死とみて調べている。

 別の住民は「神社の前を通り過ぎて(サンダルが見つかった)橋の方に向かって人形を持って歩いていくのが目撃されている。人形でも落として、拾おうとしたのかな」とため息をついた。

 橋用ガードレールは高さ100センチほどで身長130センチの町田さんが乗り越えるのは難しいが、橋の脇に急勾配の草むらがあり、そこに左右で2メートルほど間隔のあいた状態でサンダルが脱ぎ捨てられていた。

“人形救出”のために誤って転落した可能性はあるが、転落なら大けがをしてもおかしくない。本当に事件性はないのだろうか。町田さんが行方不明になった当日は3日間開催の祭りのちょうど中日だった。

 祭りは県外に出た人が帰ってきたり、県外からの観光客も大勢訪れて、その辺の山道に路駐することもある。「もともと新潟との県境にあるこの地区は長岡ナンバーが多いから他県のナンバーを見ても不思議には思わない。結局“不審車”なんて分からない」(別の住人)

 事件か事故か。母親とも宝物の人形とも離れてしまい、どれだけ不安だったか計り知れない。