オミクロン株は感染力こそ強いが、比較的症状は軽いといわれている。ただデルタ株と比べると重症化しづらく風邪と同じような症状が多いせいか、対策がおざなりになっているようで…。

 都心の歓楽街にあるクラブで働く50代のホステスはこう語る。

「今月上旬、お客さんが5組12人いたんですが、マスクしてるのは私だけという状況がありました。客の1人が『オミクロンになってもどうせ風邪みたいなもんだから、検査なんかしなくてもいい。マスクしなくても大丈夫だよ』なんて言うんです」

 また最近、同伴客とすし屋へ行き、新型コロナウイルスの話題になった時も肝を冷やしたそう。

「お客さんが急に『検査したんだ』と話し始めて、最初は『大丈夫だった』と言ってたのに、よくよく聞いたら『実は、まだ検査結果を聞いてない』って。しかも後から、コロナに感染していたことが分かったんです。保健所に電話して聞いたら、すし屋では斜めに座っていたから『濃厚接触には当たらない』と言われたけど、その客とは距離を置くことにしました」

 こうした意識の低い客が多く、このホステスは「そんな感じだと、コロナを怖がらなくなっちゃいますよね。仕事を休めない人は別だけど、喉が痛いとか風邪みたいな症状なら『別にかかってもいいや』って」。ただ慎重派の彼女は「しばらく怖いから、店では私1人でもマスクする」という。