カズ効果に指揮官も最敬礼だ。J1横浜FCの“キング・カズ”こと元日本代表FW三浦知良(53)は13日の名古屋戦で今季初めてリーグ戦でベンチ入りを果たしたが、出番は回ってこないままで終了。4670日ぶりのJ1リーグ戦出場を果たせば最年長出場記録も大幅に更新となっただけに注目を集めたものの、すべて持ち越しとなった。

 それでもチームは打ち合いを制して3―2で勝ち、連敗を3でストップ。下平隆宏監督(48)は「間違いなく(カズのベンチ入りの)効果はあった。ウオーミングアップ、ベンチの雰囲気もいつもと違った。全体の雰囲気が『カズさんがいるからには勝たないといけない』となっていた」。チームの士気も上がっていたとあって「チャンスがあればもちろん交代出場は考えていた」とカズを起用する予定だったという。

 だが試合展開も考慮して今回は断念。試合後にカズとやりとりした下平監督は「すみません、出してあげられなくて」と謝罪すると「いいんだよ、勝つほうが大事なんだよ」とカズに言われたという舞台裏も明かした。そのうえで「僕自身も出場してほしかった。また次の機会に」と指揮官は近々の起用を約束。次戦20日の大分戦(昭和電ド)からアウェー3連戦となるが、そこでカズの出番が巡ってきそうだ。