J1神戸のトルステン・フィンク監督(52)の表情は晴れなかった。

 公式戦で3試合ぶりの出場となった神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(36)が12日のFC東京戦(ノエスタ)で持ち前のテクニックを披露。1―2と敗色濃厚の後半アディショナルタイムに得たFKのキッカーを担うと、ゴール前に正確なクロスを供給し、DFダンクレー(28)のゴールをアシストした。

 ダングレーは「100%のボールだった」と絶賛。指揮官も「彼が戻ってきたのはプラス」と語ったが、6試合連続で公式戦未勝利。首位川崎との勝ち点差は、21にまで広がった。

 今季は新型コロナウイルス禍の影響で約4か月間リーグ戦が中断した影響で、過密日程を強いられている。さらに、リーグ戦の前半17試合を終えた段階で、既に2度も川崎と対戦していることから「今年のリーグ戦の日程はおかしい」と苦言を呈した。さらに「現実的に見れば、この勝ち点で(神戸の)リーグ優勝はないと思っている」と嘆いた。

 それでも、最後には「ここからは、できるだけいい順位で終えられるようにすること。クラブの考え方でもある若手の上達に集中したい」と前を向いた。