Jリーグが大ピンチだ。厚生労働省が20日に大規模イベント開催について「開催の必要性を改めて検討するようにお願いする」との声明を発表し、現時点で自粛要請は行わず主催者に判断が委ねられる形となった。

 Jリーグは21日から23日にかけてJ1とJ2の開幕節が組まれており対応が注目されたが、村井満チェアマン(60)は「万全の対策で臨む」と予定通りの開催を表明した。会場では運営スタッフがマスク着用に努め、トイレや入場ゲートに消毒液の配備、今後に向けて各クラブにウイルス対応の担当者を置くよう通達するなど対応策を強化していくことになった。

 ひとまず開幕節は通常開催となったが、今後の状況次第ではJリーグは危機に陥る可能性もある。村井チェアマンは感染が拡大した場合に「無観客という選択肢もあるし、五輪期間中に日程を動かす選択肢もある」と明言した。

 仮に無観客となれば、クラブへの大損害が予想される。Jリーグ関係者は、リーグがクラブの損害を補填する可能性があるとしつつ「無観客試合は懲罰処分にあたる浦和の例しかないので、今回のようなケースでそうなった場合にはどうなるか分からない」と話し、難しい対応を迫られそうだ。特にJ2やJ3では財政状況がひっ迫しているクラブもあり、無観客となれば、入場料収入やグッズなど物販収入、さらに掲出広告のスポンサー料の減額も予想される。数試合続くと、経営が行き詰まり破綻するクラブが出てもおかしくない。

 また、延期した場合、五輪期間に日程を組み込むことが検討されているが、首都圏のクラブは本拠地が五輪会場になっている。その上、近隣の競技場も練習会場として稼働しており、各クラブが試合を実施できるかは微妙な情勢。しかも観客動員も大幅減は確実で、大打撃となる。21日の新シーズン開幕も、不安ばかりが広がりそうだ。