曹監督パワハラ疑惑で「湘南スタイル」終焉? チーム崩壊を恐れる代表OB「J3まで…」

2019年08月14日 16時30分

指導自粛となった曹監督。チームが受けるダメージは大きい

 パワハラ疑惑の行方とは――。J1湘南の曹貴裁監督(50)に浮上した疑惑についてクラブ側は厳しい選択を迫られている。湘南は13日、Jリーグによる調査終了まで曹監督の指揮および指導の自粛を発表した。当面は高橋健二コーチ(49)が指揮を執るが、今後、指揮官の去就問題に波及するのは避けられない状況だ。ソウ監督が築き、サッカー界を席巻した「湘南スタイル」は終焉を迎えそうで、チームは崩壊の危機に直面している。

 パワハラ疑惑が浮上した曹監督の活動自粛が発表となり、この日のトレーニングから高橋コーチがチームの指導に当たり、17日の鳥栖戦(BMWス)の指揮も執る。真壁潔会長は「公正な調査のため、監督とも合意の上で措置を決めた」と広報を通じてコメントした。

 今回の件についてはパワハラを受けたとされる選手、スタッフ、関係者の話や、曹監督の指導法を疑問視する声が出る一方で、その指導を愛情と捉える向きもあり意見はさまざま。今後、クラブ側はJリーグによる調査結果を待って曹監督への対応を協議することになるが、すでに去就問題に発展することは避けられない見通しだ。

 特に親会社のライザップは曹監督のパワハラ行為を否定しているものの、疑惑が表面化したことで企業イメージの悪化は避けられないという事情がある。クラブ側は、他のスポンサーやサポーターへの対応を含め、問題を一刻も早く払拭するために、今後は指揮官の処遇についても本格的に検討せざる得ないはずだ。

 そんな中、曹監督をよく知る日本代表OBの一人はクラブの行く末を案じている。「パワハラは断じてあってはならないこと。どんな理由であれ、それを肯定することはない」と前置きしつつも「湘南のスタイルは曹監督が築き上げたもの。他の監督にはまねできないし、曹監督の指導があって初めて成り立つ。その過程で厳しいやりとりがあって当然」と説明。実際に練習を見学した際にも、厳しい指導を行っている姿を見たことがあるという。

「湘南スタイル」は全イレブンがハードワークし、ピッチを縦横無尽に走り回る戦術で豊富なスタミナとパワーが求められる。90分間フル稼働を強いるため、選手には心身ともにかなりの負担となるが、曹監督は厳しい指導で新たな戦い方を浸透させた。戦力的には他クラブに大きく劣る湘南をJ1に定着させたように、サッカー界を席巻した戦い方で、Jクラブ関係者は「曹監督にしかできない」という。

 それだけに、クラブ側が指揮官の去就について、どんな選択をしたとしても厳しい道が待っている。同OBは「現場に戻ったとしても、周囲からはパワハラ指導者という目で見られる。かといって曹監督がいなくなったら、チームが今のスタイルを維持するのは難しい。一気に崩れる恐れはあるし、J2どころか、J3まで落ちても不思議ではない」と危惧する。

 実際にハードワークを主とする「湘南スタイル」は、指揮官の厳しい指導があって初めて成立すると言われる。それだけに、どちらに転んでもチームの先行きは暗い。最終的には、調査結果が出てからの対応になるが、湘南はこの難局を乗り越えられるか。