【フロリダ州オーランド13日(日本時間14日)発】WWEのロウ大会が開催され、女帝ことアスカ(38=華名)が、次回PPV大会「マネー・イン・ザ・バンク(MITB)」(5月10日、現地のパフォーマンスセンター)で行われる女子MITBラダー戦(8選手参加予定)出場者決定戦で勝利。早くも女子シングルの最前線に急浮上した。

 決定戦は3試合行われ、第1試合に登場したアスカは、元ネオパンク女子集団ライオット・スクワッドのリーダー、ルビー・ライオット(29)と激突。祭典「レッスルマニア36」(4月4~5日)初日では、カイリ・セイン(31=宝城カイリ)とのカブキ・ウォリアーズで保持するWWE女子タッグ王座をアレクサ・ブリス(28)、ニッキー・クロス(30)に奪われ、約半年ぶりに無冠になっていた。
 
 11日スマックダウン(SD)大会でもリマッチに敗れ、シングル戦線へ方向転換するものと見られていただけに、今回の出場者決定戦は降って湧いたような大チャンスだ。ゴングと同時にアスカが握手を求めるも、ルビーは応じずタックル連打。怒った女帝はフィニッシュへの布石として左腕を徹底的に痛めつけた。

 その後もパンク女子がコーナーの反動を使った圧殺弾を狙うも、非情にも蹴り落としてしまう。攻め手を失ってエプロンに立ちつくすルビーの背中には、強烈なヒップアタックで場外へ突き落とした。

 さらにはエプロンでスライディングキック一撃。女帝は場外バリケードの上に立つと「やってもうた~。かなうわけあらへんやろ~」とかなり妙な歌とダンスを披露して勝利を確信した。

 ここでパンク女子が意地を見せてキックの連打で反撃。それでも二段蹴りを叩き落とすと一気にジャーマン、閃光弾からアスカロックのフルコースへ。これは寸前で逃げられ、スタンディングからのアスカロックも回避されたものの、3度目の最アスカロックがガッチリ決まり、女帝が女子MITBラダー戦への出場権を真っ先に獲得した。

 同戦はラダーを使い天井からつるされた「いつでもどこでも好きな王座に挑戦できる権利証が入ったブリーフケース」を8選手で争う過酷マッチ。インタビューを受けた女帝は「当たりまえじゃボケ。誰もアスカ様にはかなわんのじゃ!」と初のMITBラダー戦優勝に自身満々だった。

 また祭典で“ザ・マン”ことロウ女子王者ベッキー・リンチ(33)に挑みながら惜敗した元NXT女子王者のシェイナ・ベイズラー(39)は、サラ・ローガン(26)との決定戦に出場。試合前にはベッキーが「ハートの戦いだったけど、あんたはジョーカー(切り札)でも何でもなかったね。ラダー戦の結果、楽しみにしてるよ」と上から目線でメッセージを送り挑発した。

 この言葉に怒ったのか、シェイナはインタビューにも答えず鬼の形相でリングイン。いきなり右ストレートでダウンを奪うと、背後から鉄槌を浴びせてから立ち上がり、何と反動をつけてサラの右ヒジを踏みにじる暴挙に出てしまった。ヒジは逆方向に曲がり、レフェリーは即座に試合をストップ。ここまでわずか48秒の惨劇だった。

 混乱して泣きわめくサラに視線すら向けないまま、シェイナは退場。王座戦で何度も仕掛けながら決められなかった必殺のキリフダクラッチ(裸絞め)を出さなかったのは、ベッキーに対するアンサーだったのか…。

 またカイリはヒザの負傷から約1年ぶりに復帰したWWEきっての大女ナイア・ジャックス(35)との決定戦に臨んだ。183センチ、109キロのナイアを巧みに幻惑したが、パワーの差はいかんともしがたく、髪をつかんで大きく振り回され、高々と頭上までリフトアップしてからのサモアンドロップで葬られた。

 この結果、アスカ、シェイナ、ナイアの3人がいち早く出場権を得た。

 さらには新NXT女子王者の女王様ことシャーロット・フレアー(34)がゴージャスな紫のスーツで登場。「次、高貴なる女王様に立ち向かってくるのは誰かしら。私は知っているわ。イオ・シライ。日本のきれいなお嬢様は女王様の厳しいレッスンを受けてマットにひれ伏すことになるでしょう。Woooo!」と叫んでリングを去った。

 イオは10日配信のNXT大会で挑戦者決定ラダー戦(6選手参加)を制したばかり。この日は姿を見せなかったものの、今後のイオの反撃にも注目が集まってきた。

「マネー・イン・ザ・バンク(MITB)」は日本時間5月11日にWWEネットワークで生配信される。