新日本プロレスの小島聡(51)が、約11年5か月ぶりとなる団体最高峰王座取りにかける思いを激白だ。4団体合同興行「サイバーファイトフェスティバル」(6月12日、さいたまスーパーアリーナ)ではノアのGHCヘビー級王者・潮崎豪(40)に挑戦。不退転の決意を胸に他団体に乗り込んだ男の矜持とは――。

 サイバーファイトグループに属するDDT、ノア、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレスの4団体合同興行メインイベントという大舞台で、小島は潮崎に挑戦する。

「剛腕対決」として注目を集めるが、「思い入れという点では俺のラリアートと比べてもらっては困る。潮崎選手は他にも必殺技があるじゃないですか。俺は1996年ごろから使っていて、2002年に(スタン)ハンセンさんにレクチャーを受けて、ずっとこれ1本でやってきた。これが通用しなかったら辞めるしかないくらい思ってますから」ときっぱり。右腕へのこだわりは並大抵ではない。

 これまで新日本のIWGPヘビー級王座、全日本プロレスの3冠ヘビー級王座の戴冠歴があり、GHCを取れば佐々木健介、髙山善廣、武藤敬司に続く史上4人目の「グランドスラム」となる。

 とはいえ近年はなかなかチャンスが巡ってこなかった。11年1月にIWGPヘビーから陥落後、現在のIWGP世界王座も含め戴冠歴がない。しかも、団体の最高峰王座に挑むのは15年1月のGHC戦以来、約7年5か月ぶりとなる。

 51歳の大ベテランは「いろいろな意味で挑戦だと思っていて。こういうチャンスって本当につかみたくてもつかめない。そのへんの覚悟はあるし、自分もいつラストチャンスになるか分からないキャリアだと思ってます」と悲壮な決意を口にする。

 ただし、決して中途半端な覚悟で方舟マットに乗り込んだわけではない。「ここで結果を残さないと帰れないくらいの気持ちでやってますよ。いずれ新日本に戻るにしても『やられました』って、のこのこ帰るわけにはいかない。どうせだったらかっこよく帰りたいじゃないですか」と、自身の誇りにかけて必勝の十字架を背負う。

 その思いがリング上のファイトに宿り、ノア参戦後は4戦4勝と完全復活の気配が漂っている。「いろいろな巡り合わせがあってこういうことになっている。4月30日に来てからこの数週間、充実してます。常にギリギリ、崖っ縁のつもりでやっているので」。老け込むにはまだまだ早い。磨き続けた剛腕を炸裂させ、小島聡ここにありを証明する。