新日本プロレスの前IWGP・USヘビー級王者ジュース・ロビンソン(33)が22日、団体のベルト返上要求を拒絶した上で謝罪と賠償を要求した。

 ジュースは12日の大阪城ホール大会で決定済みだったSANADA、ウィル・オスプレイとの3WAY形式の初防衛戦を急性虫垂炎で欠場した。団体は「会社側と同意した3WAYマッチを反故にし、来日を拒否したため、IWGP・USヘビー級王座の返上、同ベルトの返還を要求いたします」と発表。大阪城大会では挑戦者となっていたSANADAとオスプレイの「US王座決定戦」となり、オスプレイが新王者となった。

 かねて団体批判を展開し、オスプレイとSANADA戦を次期挑戦者にする要求を完全無視されたジュースは怒り心頭でメッセージを発表。「新日本プロレスにはいつも驚かされる。全く罪のない人間のベルトを奪おうとしている。このベルトは俺のものだ! ウィル・オスプレイが王者と呼べるとでも? この前、俺に3カウント取られて負けたんだぞ?」と、5月の米ワシントン大会での王座戦の勝利を主張した上で、不服を申し立てた。

 オスプレイは米AEWの合同興行「Forbidden Door」(26日=日本時間27日、イリノイ州シカゴ)でオレンジ・キャシディとのV1戦が決定した。しかしベルトは現在もジュースが保持しており、抗争は泥沼化の様相を呈している。「このベルトを拝みたいなら、俺の言うとおりにしろ。まず、トニー・カーンの言っているくだらない大会『Forbidden Door』でのオスプレイとキャシディの試合は俺への挑戦者決定戦だ。タイトルマッチではない。修正しろ」と、大阪城決戦前と同様の要求を繰り出した。

 怒りが収まらないジュースは「次に俺にしっかり謝罪しろ。IWGPの会長からな。そして賠償金を払え。当たり前だが円ではなくドルでだ。大変な目にあった時間と労力を償え。新日本よ、恥を知れ」と痛烈批判。円安も考慮しているあたりはかなりしたたかだ。

 それにしても自身の一方的な言い分だけで謝罪と賠償を要求するその姿勢は、まるでどこかの国のようだと言っても過言ではない気がする。