新日本プロレス「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」20日の東京・後楽園ホール大会で、高橋ヒロム(30)がBUSHI(37)とのロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン同門対決を制して2勝目を挙げた。新日ジュニアの「顔」が狙うのは優勝決定戦(12月11日)の舞台となる日本武道館のメインイベント。9年前の“屈辱”を胸に秘め、聖地への凱旋を目指す。

 手の内を知り尽くしたタッグパートナーとの公式戦は、互いに譲らぬ長期戦に。デスバレーボムからのTIME BOMBで激闘に終止符を打つと、ヒロムは「BOSJ27、優勝するのはこの俺、高橋ヒロムだ!」と宣言した。

 新型コロナウイルス禍で5月の開幕が延期となったBOSJは、年末恒例の「ワールドタッグリーグ(WTL)」と同時開催中。そんな緊急事態だからこそ生まれた“チャンス”もある。当初の予定では東京・大田区総合体育館だった優勝決定戦の会場が日本武道館にスケールアップ。ジュニアの祭典の聖地上陸は1999年大会以来、実に21年ぶりとなる。

 現段階でBOSJとWTL、どちらの優勝決定戦がメインイベントになるかは未定だが、ヒロムは「ジュニアが堂々とメインを張りたい」と言い切る。「最終的にどちらがメインに来るかっていうのは、それまでの過程を求められると思うんですよ。どちらが面白かったのか、どちらが盛り上がってたのかってなってくると思うので。ただただ勝てばいいっていうので満足したくはない。誰もがこれはすごかったと認めてもらった上で優勝したい」と、WTLに出場しているヘビー級戦士たちにも宣戦布告した。

 日本武道館のリングに上がったのは過去に一度だけで「ALL TOGETHER」(2011年8月)のバトルロイヤル。新日本、全日本プロレス、ノアという当時のメジャー3団体の26選手が参加した試合で、一番最初に退場する屈辱を味わった。

「爪痕を残そうと思ったんですけど、実力が伴ってなかった。ただの数合わせの雑魚だった高橋ヒロムが、武道館のメインを飾れたら感慨深いなと。そんなの覚えてる人いないんでしょうけど、自分はあの時の悔しさを覚えてますから。あえて自分で言います」と胸の内を明かす。

 今年1月に獣神サンダー・ライガーの引退試合の相手を務め、名実ともに新日本ジュニアの「顔」となった。「今のジュニアの面白さを見せたい」と公言するヒロムが、ド派手な復活を果たす。