新日本プロレス12日の両国大会で、IWGPヘビー級王者・辻陽太(33)がG1クライマックス覇者・大岩陵平(27)の挑戦を退け、2度目の防衛に成功した。頂上決戦を制した辻の元には米国・AEWのケニー・オメガ、さらにボルチン・オレッグが現れ、11月3日広島大会で挑戦権をかけたノンタイトル3WAY戦が浮上。辻はこれを受諾した上で、来年1月4日東京ドーム大会でAEWとの全面対抗戦を熱望した。

 王者が覇者を上回った。大岩のヘッドロックに苦しめられながらも、THE GRIPをファイヤーブラスターで切り返し逆転。正調ファイヤーブラスターで35分超の激闘に終止符を打った。

 試合後はサプライズが待っていた。G1公式戦で辻に勝利を収めているボルチンがリングに現れると、直前にVTRで挑戦を表明していたケニーも電撃登場。急襲された辻は片翼の天使でKOされてしまい、セコンドに肩を担がれての屈辱的な退場となった。

 ケニーからは広島決戦で辻、ボルチンとの3WAY戦と、辻が敗れた場合の王座挑戦を要求された。また、新日本とAEWが対等な関係ではないというこれまでの辻の主張に対し「(ウィル)オスプレイもいますけど、私も来ると、もうそれは〝フィフティー・フィフティー〟とは言えないんじゃないか?」と反論された。

試合後に乱入したケニー・オメガ(右)の片翼の天使を食らってしまった辻陽太
試合後に乱入したケニー・オメガ(右)の片翼の天使を食らってしまった辻陽太

 大ダメージを負った辻は「IWGPはお前らのオモチャじゃねえんだよ」とだけ言い残し、控室へ。だが、この日の深夜になって取材に応じ「あそこまでやられたので、3WAYは受けて立ちますよ。ただし(挑戦の)条件としては俺から取ることですね。もちろんボルチンが俺から取ることができたら、ボルチンの挑戦を受けます。やれるもんならやってみな」と、TBSの人気ドラマ「半沢直樹」に登場する大和田常務のような言い回しでケニーの要求を正式に受諾した。

 その一方で「ケニーが来たことの意味を考えると、今の新日本が気になって仕方ないんだろうなと。副社長でありトップレスラーのケニーが上がりたいと思えるほど、新日本が魅力的な団体になってきているということですよ」と持論を展開する。

 今年に入り、新日本にはAEW世界王者のオスプレイ、IWGP GLOBAL王者のゲイブ・キッドが定期的に参戦しており、ジョン・モクスリーやMJFといった元世界王者も参戦予告を繰り出している。さらにケニーまで登場したことで辻は「ここにきて、AEWのトップが続々と来てますよね。だから本当の意味で対等な関係にするために、東京ドームで全面対抗戦をやっても面白いんじゃないかと思うんです」とぶち上げる。

 その上で「もしも広島で俺がケニーに勝ったら、AEWにはもう一度〝本当のトップ・オブ・トップ〟を選び直して、俺の前に送り込んできてもらいたいですね」と要求した。

「AEWに食われ続けてるようじゃダメだって意識が、ユニット問わず新日本のみんなに芽生え始めてきているように感じます。もし対抗戦でドームにお客さんを集めることになったら、AEWとの提携にメリットがあるのか問い続けてきた俺にとって、最大のブーメランが返ってくることになりますけどね。世界に俺たちの実力を示せるのであれば、それでもいいと今は思ってます」

 禁断の扉が完全に開かれたことで、両団体史上最大の戦いが始まるのか、注目だ。