ドラゴンゲート19日の東京・大田区総合体育館大会で、オープン・ザ・ドリームゲート王者の吉岡勇紀(28)がEita(30)の挑戦を退け2度目の防衛に成功した。

 フロッグスプラッシュをヒザで迎撃され、Numerо Unоを狙われるなど劣勢が続いた吉岡だったが、コーナー上での攻防を制すると雪崩式ダークネスバスターで逆転。最後は豪快なラリアートからフロッグスプラッシュで激闘を制した。

 試合後のリング上では「俺はまだまだ王者として成長しなければいけません。過去という壁に挑戦しなければならないと思ってます。過去にドリームゲートを巻いた人たちと、ベルトを賭けて試合をしたいと思います。ドリームゲート巻いたことあるヤツは、全員、覚悟持っておくんだな」と豪語。歴代王者との防衛ロードを打ち出した。

 その一方で吉岡には大きな使命がある。Eitaとの前哨戦では空席の目立つ会場を指摘され「全然客が入ってねえじゃねえか。ドラゴンゲートがつまらねえからだ。吉岡、お前が王者だからだ」と糾弾された。コロナ禍の影響などもあり、かつて業界屈指の集客力を誇った団体は苦境が続いている。吉岡は「声援もないですし、席が空いているといろいろと選手として考えるところはありますし。お客さんに楽しんでもらって、選手も思いきりできる環境を作らないと、プロレス界は盛り上がらないと思いますね」と再び超満員の会場を取り戻すことを誓う。

 窮地の団体を再建する。そんな王者像の目標となるのが、2000年代に新日本プロレスの暗黒期を救った棚橋弘至だ。岐阜県大垣西高等学校で野球部に所属した吉岡は棚橋の後輩にあたり、面識はないものの同郷の大先輩として尊敬している。「実は今のフィニッシュのフロッグスプラッシュも、リスペクトとか全ての思いを込めてデビューの時から使わせてもらってるんです。同郷の先輩のようにプロレス界を盛り上げていけるように努力していかないといけないと思ってます」とハイフライフローと同型の必殺技に込めたこだわりを明かす。

 ドリームゲート王者として活躍を続け、実現させたい野望もある。「棚橋さんから声をかけてもらえるような盛り上がりをドラゴンゲートで見せて行きたいですね。本当に棚橋さんと同じ道をたどれるように、自分も工夫してやっていきたいと思います。今はフロッグスプラッシュという技名でやってますけど、もしお会いすることができたあかつきには名前をつけていただきたいなと思ってます」。若き王者はドラゴンゲートの救世主、そして太陽になれるか――。