全日本プロレス21日後楽園ホール大会で、3冠ヘビー級王者のジェイク・リー(32)が王道トーナメント覇者・諏訪魔(44)との頂上決戦を制し、2度目の防衛に成功した。

 ジェイクは6月26日大田区大会で当時の3冠王者・諏訪魔に挑戦予定だった。だが、諏訪魔が新型コロナウイルスに感染し王座を返上したため、新王者決定巴戦を制しての初戴冠。約3か月の時を経て立場が入れ替わっての王座戦が実現した。

 試合が大きく動いたのは20分過ぎだ。得意の膝蹴りを連射してジェイクは、諏訪魔の猛反撃にさらされた。ドロップキック、投げ捨て式ジャーマン、ローリングラリアートからバックドロップ2連発を浴びる。

 それでも3発目の岩石落としに膝蹴りを合わせて回避すると、強烈なハイキックで再逆転。後頭部へのジャイアントキリング(ランニングニー)、バックドロップでたたみかけると、最後はD4C(垂直落下式ブレーンバスター)で激闘に終止符を打った。

 前王者との王座戦で文句なしの勝利を収めたジェイクは「やっと自分が納得した形で、このベルトを腰に巻くことができた。俺はまだやり残していることがたくさんある。今、全日本は俺だ!」と高らかに宣言した。

 だが、王者に休息の時はない。試合後のリング上にはこの日のセミで行われた次期挑戦者決定戦を制した宮原健斗が、スーツ姿に早着替えする用意周到さとともに登場。「いつの時代も主役は2人もいらねえんだ。どんな時代の全日本プロレスをさかのぼっても主役は1人だ。申し訳ないがジェイク、今の時代は俺の時代だ」と宣戦布告し、10月16日大田区総合体育館大会での挑戦を表明した。

 これを受けジェイクも「望むところだ。歴史はもう動き始めている。俺がこれを取った瞬間から。主役は2人いらない。俺も同じ気持ちだ。主役は1人でいい。俺がそれを証明する」と豪語。3冠誕生の地で、全日本プロレスの未来を占う大一番が実現する。