あの「IGF」が復活する。闘病中の〝燃える闘魂〟アントニオ猪木氏(79)の専属マネジメント会社「株式会社 猪木元気工場」が設立されることが25日、本紙の取材でわかった。略名は「INOKI GENKI FACTORY」の頭文字を取った「IGF」となる。かつて猪木氏が率いたプロレス・格闘技団体「イノキ・ゲノム・フェデレーション(旧IGF)」と同じ略称となったのは、もちろん偶然ではない。果たして新生IGFによる大会開催はあるのか、詳細を追った。
新生IGFは、猪木氏のマネジメント業務を行う会社として設立される。とはいえ、かつて日本マット界で波紋を巻き起こした旧IGFと同じ略称にしていることからも、将来的な興行開催を見据えている可能性が高い。一部情報によれば、社長以下スタッフも旧IGFとほぼ同じメンバーになる。
猪木氏は難病「全身性トランスサイレチンアミロイドーシス」で昨年から闘病を続けているが、その様子を自身のユーチューブチャンネル「最後の闘魂」で公開して話題になった。さらに弟子の「KENSO」こと鈴木健三氏が手がけた、闘病ドキュメンタリー番組「燃える闘魂 ラストスタンド~アントニオ猪木 病床からのメッセージ~」もNHKで放送され、大きな反響を呼んだ。
さらに直近では、日本テレビ系夏の恒例特番「24時間テレビ」(27~28日)への出演も決まるなどその人気に衰えはない。マット界でも新日本のG1クライマックス覇者オカダ・カズチカから、来場ラブコールを送られている。実現はしなかったものの、6月の那須川天心との世紀の一戦を直前にしたK―1のエース・武尊からは「格闘技の原点」との告白とともに、特別立会人としての登場を熱望されるなど、格闘技界からの熱視線も途切れない。
そんな状況だけに、猪木氏は周囲に「なぜ今、またこのタイミングで『アントニオ猪木』が求められるのか。その答えを探していきたい」「必要とされる以上、俺はアントニオ猪木であり続ける」と話しているという。新生IGFは、そんな猪木氏の活動の拠点となりそうだ。
そこで旧IGFの関係者を直撃すると、新生IGF設立を認めた上で「面白いことをやりましょうよ、ということ。もしかしたら、これが猪木さんをマネジメントする最後の会社になるかもしれない。集大成になるかもしれないですから。だからドカーンと、どでかい特大の花火を打ち上げようじゃないかということ。花火は一発じゃなくてもいい。何発でも打ち上げようと」と明かした。
気になるのは、かつてのように新生IGFとしてもプロレスや格闘技のイベントを開催できるかだ。2007年6月に旧IGFが旗揚げした当初のエースだった〝元暴走王〟小川直也氏は、18年6月に引退した。暴走王とライバル関係にあった野獣・藤田和之も、現在はノア所属。IGF王者だった総合格闘家の石井慧はクロアチアに拠点を移すなど、かつての主力選手たちはそれぞれ新たな世界で活躍している。そうした「ゲノムファイター」と呼ばれた選手たちが、再び集まれるかは不透明な状況だ。
一方で、別の関係者は社名に「元気」が入っていることに「今までは猪木さんが皆さんに元気を送っていたけど、これからは猪木さんと皆さんで元気を与え合うようなものになれば。『猪木さんを元気にしたい』というプロレスラーや格闘技団体、他にもアーティストの方も含め、一緒に何か面白いことができたらいい」とした。となれば、旧IGFとは違った形での大会開催があるのかもしれない。
新生IGFは一体、どんな船出を見せるか。早ければ今月中にも設立が正式発表される。
【〝お家騒動〟で事実上の活動休止】旧IGFは2007年6月29日に両国国技館で旗揚げ戦「闘今 BOM―BA―YE」を開催した。メインではブロック・レスナーとカート・アングルが対戦したが、それ以外の対戦カードは「当日発表」で、猪木氏は「見たくないやつらは見に来るな」と言い放つハチャメチャさだった。
そのメイン戦も、IWGPヘビー級王座を新日本プロレスから剥奪されたレスナーが新日本に返却しなかったベルトをかけ「IWGPヘビー級選手権」として行われたことで、物議を醸した。さらにアングルが勝利してベルトが移動したため、IWGP王座の歴史にも混乱をもたらした。
その後も突如の総合格闘技路線への切り替えや中国進出などプロレス、格闘技とジャンルを問わずマット界で縦横無尽に話題を振りまき続ける。11年には2億円相当のチャンピオンベルトが用意された「IGF王座」が設立され、王者決定トーナメントを開催した。
また、ジョシュ・バーネット、ミルコ・クロコップ、ジェロム・レ・バンナ、ピーター・アーツら世界的なトップファイターがなぜか参戦。猪木氏の影響力を見せつけた。そんな旧IGFだが、17年に猪木氏サイドとフロントの間で〝お家騒動〟が勃発。これを受けて事実上の活動休止となっていた。












