【プロレス蔵出し写真館】今年で48回目を迎える東京スポーツ新聞社制定「2021年度プロレス大賞」の選考会が13日に行われる。注目されるのは〝プロレスリングマスター〟武藤敬司だ。
武藤は2月12日にノアの日本武道館で、潮崎豪を破り58歳にしてGHCヘビー級王座を奪取。佐々木健介、高山善廣に続く史上3人目のグランドスラム(IWGP、3冠)を達成。さらに11月13日、横浜大会で丸藤正道とのタッグでGHCタッグ王座も奪取。高山善廣に続き、史上2人目となる主要3団体のシングル&タッグベルト全制覇に成功した。
武藤は間違いなくMVP候補のひとりだろう。
さて、武藤は今から35年前の86年(昭和61年)の新人賞を皮切りにMVP4回(95年、99年、01年、08年)、年間最高試合賞(99年のVS天龍源一郎、11年に小橋建太とのタッグでVS矢野通&飯塚高史)と最優秀タッグ賞(05年、パートナーは蝶野正洋、05年=曙)をともに2回、そして殊勲賞を(98年)1回獲得している。
初受賞した新人賞は、デビューから3年以内の選手を対象とするもので、86年度は全日本プロレス入りした大相撲の元横綱・輪島大士を新人とするかどうかでもめたが、「活躍ぶりが圧倒」と評価され武藤に決まった経緯がある。
84年4月に新日本プロレスに入門した武藤は、異例の速さで翌85年に渡米し、86年は2月にフロリダ州オーランドでNWA世界ジュニアヘビー級王座に挑戦。オーバー・ザ・トップロープで反則負けになったが、セコンドに就いて試合を見守った重鎮ヒロ・マツダは、試合後「何も言うことはないですよ」とべた褒めだった。
その数か月後、タイトル初戴冠となるフロリダ・ヘビー級王座を奪取した。
その年の10月に凱旋帰国した武藤は、9日に両国国技館で開催された「INOKI闘魂LIVE」で〝スペース・ローン・ウルフ〟としてヘルメットをかぶり入場。リング上で古舘伊知郎アナのインタビューを受けファンに紹介された後、選手から胴上げされるサプライズがあった。しかし、なぜかそのまま落とされ凱旋帰国と似つかわしくない洗礼を浴びた。
凱旋帰国第1戦(13日、後楽園大会)はセミで藤波辰巳(現・辰爾)とシングルで対戦。11月3日(後楽園)にはタッグながらアントニオ猪木との初対決も実現。どちらの試合も流血戦という、新人らしからぬ試合展開だった。
24歳の武藤はすでに将来の大物としての片鱗を見せつけていた。
なお、ヘルメットキャラは継続していて、11月14日から開幕した年末シリーズ「ジャパンカップ争奪タッグリーグ戦」に藤波と組んで出場したが、入場式で勢ぞろいした藤原喜明、猪木、前田日明、木戸修、藤波らの中にヘルメット姿で立つ武藤は、どこか浮いている印象は否めなかった。
87年1月4日に「銀座キャピタルホテル」で行われた授賞式では、当時、全日本に参戦中だった敢闘賞の長州力とのツーショットに納まる武藤の表情は、どことなく緊張気味の面持ちで初々しかった。
さて、今回武藤がMVPを受賞すると、08年に自身が45歳11か月で三沢光晴の記録を塗り替えて以来の、最年長受賞記録を大幅に更新となるが、果たして…(敬称略)。












