【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】米大リーグ・マリナーズで会長特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(48)が、自身の率いる草野球チーム「KOBE CHIBEN」に昨季で引退した元西武・松坂大輔氏(41)を補強する意思を示している。

 8月28日深夜放送のテレビ番組で明かしたもので、11月に行われる高校野球女子選抜との試合にも「平成の怪物」を出場させる意向のようだ。すでに背番号18番のユニホームも渡し済み。起用法は本職の投手ではなく、4番・遊撃が有力とみられる。

 さて、今さらだが松坂は野手としてどうなのか。守備に関してはパ・リーグ投手記録の7度のゴールデングラブと能力は申し分ない。打撃も2006年の交流戦では9打数3安打で打率3割3分3厘、1本塁打の数字をマークしたほどで、草野球なら強打者に違いない。

 松坂がプロ入団1年目の99年のことだ。ナイター開催時の昼前、まだ誰もいるはずのない西武ドームのグラウンドで、金属バットの快音を響きわたらせていたことを思い出す。

 当時、トレーニングコーチだった岡本光さん相手に「キャイーン、キャイーン」と痛快な打球音とともに柵越えを連発。当時から背筋力300キロ超とあって外国人助っ人ばりの打球速度だった。

 本人は「腰のキレを出すためですね。投球にもつながると思います」と真面目に話していた。だが、取材するこちらは「バッティング好きなだけやん」という心の声を抑えるのに必死だった。

 00年8月7日のオリックス戦(GS神戸)ではプロ初打席、初安打、初打点も記録している。ベンチ入り野手を使い切り、DHを解除していた9回二死満塁で投手・デニーの代打で出場。栗山聡から中前2点適時打を記録した。

 6―3とリードしていたこともあり、けがを心配した東尾監督からは「打つな」の指令が出ていた。それを松坂は無視。カウント3ボール1ストライクから2球ファウルで粘り、7球目を中前に運んだのだった。

 ぜひとも見てみたい。女子野球相手でも手加減を許さないイチロー先輩同様のプレーを。忖度なし。リミッター解除した「平成の怪物」のフルスイングを。

☆ようじ・ひでき 1973年生まれ。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」で巨人、ヤクルト、西武、近鉄、阪神、オリックスと番記者を歴任。2013年からフリー。著書は「阪神タイガースのすべらない話」(フォレスト出版)。21年4月にユーチューブ「楊枝秀基のYO―チャンネル!」を開設。