ヤクルトに3―5で敗れ、7連敗となった阪神では16日(神宮)の試合前、新型コロナ感染で離脱していた大山悠輔内野手(27)が練習に合流。今月4日以来となるユニホーム姿で汗を流した。「今、自分にできることをしっかりやって、1日でも早くチームの力になれるように頑張ります」(大山)。チームトップの22本塁打、71打点の大山の復帰は、深刻な得点力不足に悩む矢野燿大監督(53)にとっても、待ちに待った一報。17日から2日間は二軍施設のある鳴尾浜で調整し、最短で19日の巨人3連戦からカムバック予定という。

 首脳陣が計算する大山復帰の相乗効果は、何も貧打解消だけではない。依然、主力を欠くなか試合消化を続けるチームは、この日で10試合連続で失策を記録。昨年まで4年連続12球団ワーストの積年の課題は春先にはリーグ最少を記録するなど解消されたかに思われた。

 ところが、大山のほか近本、中野ら主力がコロナ禍で相次いで離脱し、戦力ダウンした連敗中は12個と失策数が激増。瞬く間に球界ワーストまで量産した。特にこの間に失策が多かったのが山本や糸原、佐藤輝など、内野や外野の複数ポジションを守る面々。攻撃面も連敗中、零封負けが3度、平均得点が2点以下と超・低空飛行とあり「毎試合のように守備位置を動かすのが打撃にも影響してるのでは?」といった声もOBなどから噴出した。

 今季の大山は本職の三塁は7試合、サブポジションの一塁で67試合のほか左翼で19試合に先発。助っ人・ロドリゲスのシーズン途中の加入など編成上のチーム事情で再三、守備位置を動かされながらも今年は堂々、本塁打や打点など長所項目も伸ばしてきている。

 常に与えられたところで黙々とプレーし、好不調に関係なく、走攻守に手を抜かないプレースタイルは他球団からも「プロもこうあるべき」と〝お手本〟とされるほど。連敗中、なかなか浮上の兆しを見いだせない矢野阪神の最後の砦は背番号3のそんな〝ひたむきさ〟なのかもしれない。